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コーヒーは腸内細菌の生育に影響を与える?

2015年08月20日 14時00分

 コーヒー豆にはポリフェノールが多く含まれており、脳血管疾患や2型糖尿病の予防効果があると考えられています。イギリスの研究グループは、クロロゲン酸が腸内細菌の生育に与える影響を調べました。


Coffee faecal microbiota growth article main

コーヒーに含まれる成分と腸内細菌の関係とは?(写真:Shutterstock.com)

 食後やくつろぎたい時にコーヒーを飲みたくなることがありませんか?

 コーヒーは世界的によく飲まれている飲料であるばかりでなく、心臓病や脳卒中、肺疾患による死亡リスクを下げるという報告があります(コーヒーで寿命が延びるのは何故か?)。

 コーヒー豆には抗酸化作用をもつポリフェノールや興奮作用や利尿作用をもつカフェインが含まれています。ポリフェノールの1種であるクロロゲン酸は、コーヒー豆中にカフェインより多く含まれています。

コーヒー成分は腸内細菌の生育に影響を与える?

 人の腸内には様々な細菌が存在しており、腸内細菌叢と呼ばれる群集を形成していることが知られています。腸内細菌叢は、私たちの健康(肥満やアレルギー、皮膚疾患、脳、神経系疾患など)に影響を与えることがわかってきています。

 イギリスのレディング大学の研究グループは、コーヒー豆に多く含まれるクロロゲン酸が大腸に良い効果をもたらしているのではないかと考え、腸内細菌叢に対するクロロゲン酸の効果を検証しました。

 各種コーヒーと糞便を一緒に培養した結果、クロロゲン酸は培養後4時間には代謝され、ジヒドロカフェ酸とジヒドロフェルラ酸が作られる一方で、カフェインは代謝されずに残っていました(※)。

 そこで、クロロゲン酸を最も多く含むコーヒーの種類を選んで添加したところ、添加していないものに比べ善玉菌のビフィズス菌の数が有意に増えていました。そして、このコーヒーに含まれる量と同じと等量のクロロゲン酸を培養液に加えると、ビフィズス菌の増殖が促進しました。

 また、クロロゲン酸のみでもクロストリジウム・コッコイデスとユーバクテリウム・レクタレという腸内細菌の数が増えることもがわかりました。

 研究グループは、コーヒー成分の選択的な代謝や腸内細菌の生育が私たちの健康につながっているのではないかと指摘しています。


監修者
医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。

参考文献
Mills CE, In vitro colonic metabolism of coffee and chlorogenic acid results in selective changes in human faecal microbiota growth., Br J Nutr.


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