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発がん物質が入っていない缶コーヒーを作るにはどうすればいいの?

公開日:2015年4月2日
更新日:2018年6月18日

 日本で大量に消費される缶コーヒー。でも、コーヒーには発がん物質が含まれているのをご存知ですか?1日何缶も飲む人が多い缶コーヒーだけに、何とか発がん物質を減らす方法はないかと模索されているのです。


画像はイメージです。記事と直接の関係はありません。(写真:Lucas Kelleher)

 コーヒーには、発がん性物質のアクリルアミドが含まれていることを知っていますか?アクリルアミドは神経毒で、国際がん研究機関(IARC)によって食品などに含まれるアクリルアミドは発がんを引き起こす可能性があると指定されています。ポテトチップスやポテトフライなどに多く含まれていることも話題となっていました。
 日本では大変人気のある缶コーヒー。発がん物質を減らして、安心して飲めるようにならないでしょうか?

缶コーヒーの発がん物質を減らす方法を考案

 2014年11月24日のインターナショナル・ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー誌において、愛知県がんセンター中央病院を中心とした研究グループが缶コーヒーに含まれるアクリルアミドを減らす方法について報告しました。
 日本では缶コーヒーの人気がとても高く、年間約100億本が消費されているそうです。1日に何本も飲む人が多いことから、発がん物質の影響が心配です。
 そこで、研究グループは、製造工程においてアクリルアミドを減少させるための方法について検討しました。

アミノ酸の1種であるシステインを加える

 結果、アミノ酸の1種であるシステインを添加して121度、6分間の加熱処理をすると、アクリルアミド含有量が約95%減少するということがわかりました。
 彼らは、システインと構造が似ている「ジチオスレイトール」や「シスチン」を添加した熱処理でも検討してみました。すると、「ジチオスレイトール」では含有量は減少したのですが、「シスチン」添加では効果はなかったことから、システインとジチオスレイトールの構造がもつ「チオール基」と呼ばれる化学構造がアクリルアミドの減少に重要な役割を果たしていると考えられたのです。
 今後、この研究を生かした製品ができることを期待したいですね。
 様々な食品の中に含まれるアクリルアミド。それぞれの含有量は微量で、すぐがんになることは考えられないものの、やはり長期間大量にとり続けることは避けたいものです。


参考文献

Narita Y and Inouye K. Decrease in the acrylamide content in canned coffee by heat treatment with the addition of cysteine.
J Agric Food Chem. 2014 Dec 17;62(50):12218-22. doi: 10.1021/jf5035288. Epub 2014 Dec 8.

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