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食事・生活

運動は腸内細菌にも良い影響を与えていた!?

2015年06月01日 10時00分

 肥満やアレルギー等にも影響を与えることがわかってきた腸内細菌。腸内細菌に対する運動の効果を検証するために、ラグビーのアイルランド代表選手の腸内環境が調べられました。


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写真はイメージです。記事と直接の関係はありません。(写真:Alessio Bragadini/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 2.0 一般)

健康に影響を与える腸内の微生物

 私たちの腸内には数百種、百兆個に及ぶ多種・多様な細菌が住んでおり、それらは集合体を形成しています。
 この細菌の塊は腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)または腸内フローラとよばれ、最近の研究で肥満やアレルギー、皮膚疾患、脳、神経系疾患にも影響を与えることがわかってきました。また、腸内にいる微生物の種類も重要で、微生物の多様性が少なくなると自閉症や胃腸の病気のリスクが高くなることが報告されています。

運動と腸内微生物との関連は?

 これまで、食事や現代的なライフスタイルが腸内微生物と関連することがわかっていた一方で、運動との関連についてはよく分かっていませんでした。そこで、アイルランドのコーク大学の研究グループは、腸内微生物に関する運動と食事の効果を調べました。

トップアスリートの腸内を調べたところ・・・

 研究グループが解析したのは、ラグビーの国代表の選手たち。明らかに一般の人の運動量と食事の内容は異なるために選ばれました。腸内微生物を同定するため、特定の遺伝子の配列を解読しました。

トップアスリートの腸内細菌の種類は豊富だった

 ラガーマンと一般の人の測定結果を比較した結果、極度の運動の指標となるクレアチンキナーゼの値に差があるだけでなく、ラガーマンでは炎症性マーカーが低く、代謝マーカーの値も良いことがわかりました。

 腸内微生物の分析の結果、ラガーマンの腸内には、分類学上、22種の門分類にわかれる微生物が存在しており、一般の人より多様な微生物がいることがわかりました。この微生物の種類は、タンパク質の消費量やクレアチンキナーゼの値が高くなると、増えることがわかりました。

 今回の研究により、運動は腸内細菌の側面からも健康に良い効果を与えていることが示されました。一般の人が適度な運動をしたときも、ラガーマンと同じような結果となるのか気になるところです。


参考文献

Clarke SF et al. Exercise and associated dietary extremes impact on gut microbial diversity.
Gut. 2014 Dec;63(12):1913-20. doi: 10.1136/gutjnl-2013-306541. Epub 2014 Jun 9.

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