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つらい前立腺がんの治療、少しでも楽にするにはあの運動!
ウォーキングなどの軽めの運動は、健康のために良いとされていました。病気になってしまった人にも良い効果をもたらしてくれるようです。

軽い運動は病気の人にも良い影響があるようです。(写真:Shutterstock.com)
がんの治療をしていく上で、症状や治療の副作用によって生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)が低下することがあります。
アメリカのノースウエスタン大学の研究グループは、非転移性の前立腺がんと診断された約2千人を対象にして、診断を受けた後の運動と健康関連クオリティ・オブ・ライフ(尿失禁、排尿障害、活力、ホルモンなど)との関連を調べました。
激しい運動は逆効果
その結果、効果は小さいものの、ウォーキングなど軽く体を動かすことにより活力やホルモン機能のスコアが高くなることがわかりました(※)。
研究グループは、体を動かすことによって、治療の副作用の低減だけでなく、疲れやうつの症状の改善も期待できると指摘しています。
その一方で、逆に重量挙げのような激しい運動は、失禁の問題を高めてしまうことがわかり、注意が必要です。
おすすめの運動は「ウォーキング」!
研究グループは、週に5時間以上のゆっくりと歩く散歩やヨガなどの激しくない運動、もしくは週に3時間以上のウォーキングを勧めています。
また、仕事などで忙しく、週に3時間も時間をとれないという人は、通常より速いペースで歩けば、90分間の運動で同等の効果が得られるそうです。
つらいがん治療、少しでも副作用を抑えることができるのなら、普段運動をしていない人も歩くことから始めてみてはいかがでしょうか?
監修者
医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。
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