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5月病?それとも「疲労」!?疲労が及ぼす健康への大きなリスクとは

公開日:2015年5月11日
更新日:2020年3月12日

 もしかして5月病!?そんなあなた、「疲れ」がたまっていませんか?デンマークの研究グループは、疲労が心筋梗塞などの心臓病のリスクを大きく高めてしまうことを報告しました。


疲れがたまっていませんか?(写真:Shutterstock.com)

やる気がでない・・・5月病かなあ?

 4月、新年度になって「頑張るぞーっ」てやる気いっぱいだったのに・・・連休明けたらなぜか気力がわかない。これってもしかして5月病!?

 その5月病の原因はもしかして「疲れ」かも。4月の新しい環境で毎日の緊張とストレス、さらには3月から4月は冬から春へと気候が大きく変わり、その気温差についていくために体はヘトヘト。しかも連休で生活リズムが大きく崩れてしまったり。今こそゆっくり体を休ませてあげるべきかもしれません。

疲労でリスクが高まる病気は

 「疲れ」なんて病気でもないし、大したことないと思う人も多いかもしれません。

 しかし、「疲労」について、デンマークの研究グループは心筋梗塞などの心臓病のリスクを大きく高めてしまうことを発表したのです。

 研究グループは、心臓病ではない被験者8800人に、社会的、身体的な状況と併せて、疲労に関する17個の質問をしました。そして、さまざまな要因と心臓や血管の病気との関連を調べたのです。疲労の度合いは質問の回答結果から判定しました。

男性と女性で共通のリスク

 調査の結果、男性では最もリスクを高める要因となったのは、「疲労」と「血圧」でした(※)。疲労の度合いが高いと心臓病の発症リスクはなんと約2.4倍、血圧は上の血圧が160mmHg以上だと120mmHg未満の場合の約2倍でした。

 一方で、女性では「疲労」と「喫煙」でした。女性でも疲労度が高いと心臓病の発症リスクは約2倍、1日に1箱くらいたばこを吸う人は一度も吸ったことのない人の1.7倍のリスクという結果になりました。

 男女に共通して、疲労が心臓病に対する大きなリスクの一つであるということが明らかになったのです。

 疲労が病気につながってしまうなんて、恐ろしいですね。疲れをためないように、家に帰ったらゆっくり休みたいものです。おすすめの疲労回復法は、ゆっくりぬるめのお風呂に浸かることです!体がリラックスモードになると夜も良く眠れるそうですよ。

 体は十分休ませたのに、いつまでもやる気がでず心が晴れない、なんてあなたは、我慢しないでお医者さんに相談してくださいね。


監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

Schnohr P, Ranking of psychosocial and traditional risk factors by importance for coronary heart disease: the Copenhagen City Heart Study., Eur Heart J.


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