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【管理栄養士コラム】料理の仕方で野菜に含まれるビタミンが減ってしまう!?おすすめの調理方法をご紹介

2019年10月10日 09時00分

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料理中に失われてしまうビタミン、どうすればいいの?(写真:Shutterstock.com)

 ビタミン類は、私達の身体の組織になる栄養素ではありませんが、様々な機能を調節してくれる働きがあります。欠乏すると、体がだるくなったり、骨がもろくなったりするなどの症状や、貧血や心疾患、がんなどの発症にも関与していることが知られています。また、皮膚のコラーゲンの生成にも関与していますので、欠乏すると肌荒れの原因にもなります。一方で、多くのビタミンは体内で作ることができないため、食事から日々摂取することが重要です。

 ビタミンを様々な食材から摂取しようとした場合、加熱する過程で損失される(調理損失)ことは良く知られています。今回は具体的に、
①ビタミンの種類と調理損失の特徴
②茹でる、蒸すなどの加熱法による損失量の違い
③ビタミンの損失を最低限にするコツ
の3テーマをお伝えします。

1. ビタミンの種類によって調理損失が異なる

 ビタミンは、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの2種類に分けられます。調理損失は水溶性ビタミンの方が大きく、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、葉酸等)やビタミンCが挙げられます(図1)。水溶性ビタミンは、名前の通り水に溶けやすいため、水にさらしたり、茹でたりすることにより損失してしまうのです。

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図1. 脂溶性ビタミンと水溶性ビタミン

2. 水溶性ビタミンは、どのような食品から摂取しているのか

 私達が日頃どのような食材から水溶性ビタミンを摂取しているのかを図2に示しました(※1)。ビタミンB1、B2は肉類、穀類、野菜類、魚介類など幅広い食品群から摂取していますが、ビタミンCは野菜類と果実類の割合が高く、なかでも野菜類は全体の約4割を占めています。

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図2. 水溶性ビタミンの主な摂取源(※1)

3. 生野菜と加熱野菜

 「水溶性ビタミンが調理過程で損失しやすい」と聞くと、野菜は「生で食べた方が良い?」と思う方が多いのではないでしょうか。生で食べるのも工夫のひとつですが、ビタミンの摂取源である野菜を、“かさ”という視点からも見てみましょう。

 1食あたりの野菜摂取目安量は120gとされていますが、生野菜だと両手に一杯、加熱野菜だと片手に一杯です(図3)。 “かさ”が多い生野菜と比べて、加熱野菜は、”かさ”が減るので一度に食べやすい量になるというメリットがあります。そのため、生野菜を両手一杯食べきれない方にとっては、加熱野菜で “食べやすい量にする”と、結果的に生野菜を摂取するのと同じ程度のビタミンをとれることになりえます。

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図3. 生野菜と加熱野菜

4. 加熱法の違いによる水溶性ビタミンの残存率

 野菜の加熱法には、茹でる、煮る、蒸す、炒めるなどがありますが、水溶性ビタミンの調理損失にどれぐらいの差があるのでしょうか

 水溶性ビタミンの残存率が高い(残りやすい)加熱法は、「蒸し」と「電子レンジ」とされています。図4に、加熱法と水溶性ビタミンの残存率を示しました。「茹で」や「煮る」は46~68%に対して、「蒸し」や「電子レンジ」は73~91%と食材にビタミンが残っていた割合が高かったと報告されています(※2,3)。水に溶けやすい水溶性ビタミンは、水を使用した加熱法よりも使用しない加熱法で残りやすいことが確認できます。

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図4. 加熱法の違いによる水溶性ビタミンの残存率(※2,3)

5. 加熱調理をする時に工夫できること

 加熱調理の工夫を2つご紹介します。

① 「蒸し」と「電子レンジ」を積極的に使う
 毎日の食事作りで、「茹でる」を「蒸し」や「電子レンジ」に置き換えられるかを検討してみましょう。例えば、「お浸しや温野菜サラダは蒸す」、「ポテトサラダを作る時はじゃがいもを電子レンジで加熱する」などです。蒸し器がなくとも、鍋や深めのフライパンに1cm程度の水を沸騰させ、そこに野菜を並べたお皿を置き、蓋をして数分加熱すると、野菜を蒸すことができます。

② 加熱し過ぎない&加熱してから切る
 どの加熱法でも、加熱時間が長いほどビタミンの損失量は増加します。野菜炒めなどは、火が通りにくい野菜から加熱をする、ほうれんそうやチンゲンサイのような茎と葉に分けられる野菜は、茎の部分から加熱をするなど、素材に見合った加熱をおすすめします。

 また、ビタミンCが豊富に含まれているじゃがいもなどのいも類は、切ってから加熱するのではなく、加熱してから切ると、ビタミンの損失を抑えることができます。

 ビタミンを始め、様々な栄養素を不足なく摂取するコツは、野菜の鮮度や、旬の時期を選ぶなども重要な要素です。今回ご紹介した「蒸し」、「電子レンジ」などの調理損失が少ない調理法も合わせて習慣にしてみてはいかがでしょうか。

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