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食事・生活

夜につい食べすぎてしまうのはなぜ?脳の活動観察からその原因が明らかに!?

公開日:2015年7月6日
更新日:2021年9月3日

夜になるとついついたくさん食べてしまう原因は?(写真:Shutterstock.com)

 夜になるとなぜかたくさん食べたくなったり、逆に朝はあまり食欲がなかったり。そんな経験はありませんか?実は単なる現代の生活スタイルの問題だけではなさそうです。米国の研究グループは、夜にたくさん食べてしまう背景には、脳の働きが関係しているという論文を報告しました。

食事の写真を見たときの脳の反応を観察

 研究グループは、健康な15人の女性を対象として、朝と夜に1回ずつ、低カロリーと高カロリーな食事の写真を見てもらい、そのときの脳の反応を解析しました。

 具体的には、高カロリーの食べ物としてキャンディー、アイスクリーム、ファストフードの写真を、低カロリーの食べ物として野菜、果物、魚の写真を見てもらい、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)により脳の反応を解析しました。

朝と夜で食事に対する脳の反応が異なっていた

 その結果、脳の反応は、時間帯に関わらず低カロリーの食事の写真を見たときよりも高カロリーの食事の写真を見たときのほうが強いことがわかりました(※)。

 一方で、欲求が満たされたときに活性化される(報酬に関わる)脳の部位の反応は、夜に食事の写真を見たときに低いことがわかりました。

 参加者の食欲について質問したところ、空腹具合は朝と夜で変わらなかったが、食べたい欲求は夜のほうが強かったと答えました。

 以上の結果から、同じ量を食べても夜では食欲を満たすことができずに、ついつい食べてしまう可能性が高くなると考えられました。特に夕食時には、よく噛んで食べるなどして満腹感を感じられるように意識するのも効果的かもしれませんね。


監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

Masterson TD, Neural reactivity to visual food stimuli is reduced in some areas of the brain during evening hours compared to morning hours: an fMRI study in women., Brain Imaging Behav.


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