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あなたは朝食を食べる派?食べない派?ダイエットに効果があるのは果たして
朝食食べてますか?「食べたほうが頭が働く」とか「朝は無理、食べられないし」なんて色々な意見がありそうですが、ダイエットに関して朝食抜きは効果ありなのでしょうか?

朝食をしっかり食べるほうが痩せるとしたら、それはなぜ?(写真:Kappabashi/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 非移植)
朝食を食べないほうが痩せるはず?
毎朝、元気に起きて朝食を食べていますか?朝からご飯なんて食べられない!なんて人もいますよね。
小さい頃から朝食を食べなきゃダメですよ!!って教えられてきたけど、最近では「朝食はやめたほうがいい」、とか「1日二食の方が健康に良い」なんて意見も出てきて、実際どうなの?と思ってしまいますよね。二食にすればその分カロリーも減るしダイエット効果がありそうだけど、色々な意見がありよく分からない。
昨年、米国ミズーリ大学を中心とする研究グループが、ニュートリション・ジャーナル誌オンライン版で、朝食を抜いたときのダイエット効果について、気になる研究結果を報告していたので紹介します。
朝食を抜くか、きっちり食べるかで何が違うのか
研究グループは、以前の研究で朝食を抜いた人たちにあまりダイエット効果が見られなかったということに注目し、なぜなのか原因を調査しました。
彼らは、19歳前後の肥満気味の女性20名をランダムにグループ分けして、朝食を食べない人と高タンパク質(約35g)の朝食、通常の朝食(たんぱく質量は約13g、カロリーは同じ)を食べるグループに分け、6日間過ごしてもらいました。
7日目、同様に朝食をとってもらって(あるいはとらないで)から4時間の間、30分ごとにアンケート調査を行い、甘いものやしょっぱいものをどのくらい食べたいかを数値で解答してもらいました。
そして血中の「ドーパミン」と呼ばれる脳内物質を作る酵素の濃度を測定しました。ドーパミンは一般的に、おいしいものを食べたり、いいことがあったときに分泌されると言われていて、満足感の指標とも言えます。
朝食抜いたときの逆効果!?どか食いの衝動に駆られる
結果、朝食をとったグループは朝食をとらないグループと比較して、食後に引き起こされる「甘いもの」や「塩気のあるもの」を食べたい欲求が抑えられていることがわかりました。
さらに、高たんぱく質な朝食を食べていたグループの方が、通常の朝食のグループよりも食べたい衝動が抑えられていました。高たんぱく質朝食グループでは血中でドーパミンを作る酵素の量が大きく増えていました。つまりたんぱく質の量をたくさんとったことで満足感が高くなり、その後の食欲が急激に上昇しなかったのです。
つまり、朝食をとらないと午前中の間ずっと満足感が得られず、甘いものや味の濃いものをむしょうに食べたくなってしまう「どか食い」衝動に駆られてしまうということに。せっかく朝のカロリーを制限しても、どか食いしてしまうとダイエットは成功しにくいということかもしれませんね。
そして今回の結果から、脂質や糖質ではなくたんぱく質を少し多めにとることで朝食の満足感を得られやすいこともわかりました。明日からの朝食で意識してみてはいかがでしょうか。
参考文献
Hoertel HA et al. A randomized crossover, pilot study examining the effects of a normal protein vs. high protein breakfast on food cravings and reward signals in overweight/obese "breakfast skipping", late-adolescent girls.
Nutr J. 2014 Aug 6;13:80. doi: 10.1186/1475-2891-13-80.