• 肥満
  • 遺伝子
食事・生活

いっぱい食べたはずなのにまだ食べたい気がする・・・それは遺伝子のせいってホント!?

公開日:2019年1月30日

満腹感と遺伝子の関係についてご存知ですか?(写真:Shutterstock.com)

満腹感はどこで感じる?

 みなさんは、どのような時に満腹であると感じますか?

 好きなものを好きなだけ食べた時?それとも決まった食事量を食べ終えた時?好きな人とご飯を食べている時は、少量でもお腹がいっぱいになって食べられなくなってしまう人もいるかもしれません。このように、様々な場面で満腹を感じているのではないでしょうか?

 この満腹感、実はレプチンという脂肪細胞から分泌されるホルモンに影響されています。単に胃がいっぱいになっただけで満腹になるわけではないのですね。

 そんなホルモンの分泌にはそれぞれ個人の遺伝子配列が関与していると考えられています。つまり、遺伝子が満腹感に関係しているとしたら・・・?

食欲と遺伝子の関係

 2013年に食欲とエネルギー摂取に遺伝子が関わっているかどうかの研究が行われました。

 英国レディング大学の研究グループは、健康だがBMIが25~29.9ある、標準よりも体重が重い40名の男性を研究の対象としました。彼らには、睡眠時間を含めて12時間絶食してもらい、その後、空腹感、食欲、満腹感、今どのくらい食べられそうか、の質問に答えてもらいました。その後全員に同じ食事を摂ってもらい、再び絶食時と同じ質問に答えてもらいました。さらに参加者の肥満やレプチンに関連する遺伝子配列の違いについて調べ、アンケート結果と関連するかどうか解析しました。

 その結果、レプチンに関連している遺伝子配列の違いによって、食後の満足度が20%ほど低くなる、という結果が出ました(※)。つまり、レプチンに関連する遺伝子配列の違いによって、満腹感を生み出すホルモンの分泌に何らかの影響があると考えられ、この遺伝子配列の違いによっては同じ食べ物を食べていても満足感を得にくいと示唆されるのです。

 このような研究をもとに、さらに食欲のメカニズムが解明されれば、なぜ食べ過ぎてしまうのか、どうすれば食欲に負けないのかもわかる日がやってくるかもしれませんね。

 私たちも、食欲に惑わされず、適切な量を食べて健康を維持したいですね。

 MYCODE fumfumでは「痩せやすさ」に関する、遺伝的傾向を知ることができます。この機会にぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

監修者
認定遺伝カウンセラー 藤田和博
プロフィール:昭和大学藤が丘病院での先天異常、血液腫瘍の遺伝子・染色体検査の経験を生かし、現在は大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科教授として臨床検査学教育と研究に従事。

参考文献
Dougkas A, The impact of obesity-related SNP on appetite and energy intake., Br J Nutr.