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食事・生活

大豆のちょっといい話、「ハンバーグ」より「豆腐ハンバーグ」でメタボ解消できる!?

公開日:2015年1月31日
更新日:2022年2月19日

健康に良いとされる大豆製品、血糖値や悪玉コレステロールとの関係は!?(写真:Shutterstock.com)

大豆は災いや病気を追い払う!?

 日本において大豆や大豆を使った食品は、馴染み深く、毎日食べているという方も少なくないのではないでしょうか。

 昔から大豆は、米、麦、粟(あわ)、稗(ひえ)とともに「五穀」とされ、とても大切な作物の一つとされてきました。また、豆は「魔滅(まめ)」という当て字も使われるなど、災いや病気を滅ぼす力が秘められているとも考えられてきたのです。

 実際、大豆には体に良い栄養分がとてもバランス良く含まれており、病気を吹き飛ばすパワーがあるといえるのかもしれません。

畑のお肉とも呼ばれる大豆

 一般的に、たんぱく質というと、肉や魚を想像することが多く、植物とたんぱく質は、あまり結びつかないですよね。

 そのイメージ通り、植物由来のたんぱく質は、栄養価があまり高くない場合が多いのですが、大豆は、肉や卵に劣らず「必須アミノ酸」と呼ばれる成分をバランス良く含んでいる、良質のたんぱく質食品で、「畑のお肉」という別名までつけられているのです。たんぱく質だけでなく、大豆はビタミン、ミネラルなどもバランス良く豊富に含んでいるのです。

大豆がメタボに効果的かどうか調べた研究

 今回、オランダの研究グループにより、「食事の肉を大豆に変えるとメタボは解消されるか?」を調べた研究の結果をご紹介します。

 研究グループは、おなか周りに肥満のある、閉経後の女性15人を2つのグループに分け、片方のグループは、肉を中心とした通常のたんぱく質をとる食事、もう片方のグループには、肉を大豆に置き換えたたんぱく質をとる食事を1カ月間続けてもらい、その差を調べました。

 その結果、大豆グループの方が、血糖を下げるホルモンであるインスリンの効きが良くなっていました。また、血液を調べたところ、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールは、肉グループより大豆グループの方が9%低くなっていました。つまり、肉を1カ月大豆に変えただけで、糖尿病や脂質異常症から一歩遠ざかったというわけです(※)。

 大豆食品は、豆腐、納豆、味噌、枝豆、豆乳、きなこ、油揚げなどなど、さまざまな形で食卓に登場していますよね。メタボが気になる方は、少し意識して取り入れてみるとよいかもしれません。


監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

van Nielen M, Partly replacing meat protein with soy protein alters insulin resistance and blood lipids in postmenopausal women with abdominal obesity., J Nutr.