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体質・身体

どうして歳をとると骨が弱くなってしまうのか?遺伝子研究でその謎が明らかに!

2015年06月15日 10時00分

 高齢女性を中心に年々増加している骨粗しょう症。東京医科歯科大学らの研究グループは、骨粗しょう症の進行を抑える候補因子をマウス実験で発見したと報告しました。


遺伝子研究により、骨粗しょう症が進行するメカニズムが明らかになってきました(写真:Shutterstock.com)

 骨粗しょう症は、骨の中がスカスカの状態になってもろくなってしまう病気で、老人性骨粗しょう症や女性がなる閉経後骨粗しょう症などにわけることができます。日本では骨粗しょう症により骨折する人が年々増えています。

 東京医科歯科大学らの研究グループは、骨粗しょう症の進行を抑える候補因子をマウスの実験で発見したと報告しました。

骨粗しょう症と重要な関係のある遺伝子を発見

 研究グループは、「Cnot3」と呼ばれる遺伝子に着目して、この遺伝子と加齢性の骨粗しょう症との関係をマウスで調査しました。そして、高齢のマウスでは骨量だけでなくCnot3遺伝子の働きも、若齢マウスのおよそ3分の1にまで低下することを明らかにしました(※)。

 さらに、Cnot3遺伝子の働きを人為的に低下させたマウスでは、通常の高齢マウスより骨量がさらに低下し、重度の骨粗しょう症になってしまうことがわかり、Cnot3遺伝子の働きは骨粗しょう症と重要な関連があることがわかりました。

加齢により骨が生まれ変わるしくみが崩れる

 さらに、このCnot3遺伝子の働きを弱めたマウスでは、通常のマウスより骨を壊す細胞が強く働いていることがわかりました。

 健康な体では、骨をつくる骨芽細胞と、骨を壊す破骨細胞の両者がバランスよく働くことによって骨は生まれ変わっていきます。つまり、年をとると骨を壊す破骨細胞の働きを抑えていたCnot3遺伝子の働きが弱まり、結果として骨が減っていくのではないかと考えられたのです。

 研究グループは、今後、骨粗しょう症診断の目印としてCnot3遺伝子が利用できるだけでなく、この遺伝子をターゲットとした新しい薬の開発につなげることができるのではないかとコメントしています。


監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

Watanabe C, Stability of mRNA influences osteoporotic bone mass via CNOT3., Proc Natl Acad Sci U S A.


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