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日差しが強い日には気になる日焼け、紫外線の種類によって肌への影響は異なる?

公開日:2015年7月16日
更新日:2021年9月21日

紫外線の種類を知ることで気を付けるべきポイントを知りましょう(写真:Shutterstock.com)

 紫外線は日焼け、シミそばかすの原因になるだけでなく、紫外線の浴びすぎが皮膚がんや白内障の発症につながることがあるともいわれます。太陽光線に含まれている紫外線とはどのようなものでしょうか?

地表に降り注ぐ紫外線、肌にどのような影響がある?

 紫外線は、その波長によりUVA(320~400nm、長波長紫外線)、UVB(290~320nm、中波長紫外線)、UVC(190~290nm、短波長紫外線)に分かれます。そのうち、UVCは地球のオゾン層が吸収するため、地表にはほとんど届きません。そのため、私たちに影響を与えているのは主にUVAとUVBになります。

 地表に降り注ぐこの2種の紫外線は、私たちの肌に与える影響も異なるようです。紫外線の種類による肌への影響の違いはどのように起こるのでしょうか?

 まず、波長が短い紫外線ほど生物に対するダメージが強いことが知られています、そして波長が長い紫外線は、ダメージがそれほど大きくないものの、ガラスの透過率や皮膚内部への浸透率が高くなるため、肌の内部に影響を及ぼすといわれています。

 紫外線の中で波長の長いUVAは皮膚の深部まで到達します。皮膚の張りを保つ弾性繊維がダメージを受け、肌の老化(たるみ)が促進します。UVAはオゾン層や上空の雲、窓ガラスを通り抜けやすいので、曇りの日や室内でも注意する必要があります。

 一方で、波長の短いUVBはUVAよりも影響力が強く、UVBを浴びると皮膚表面の組織で炎症がおこり肌が赤くなります。シミ、シワ、皮膚がんの多くは、UVBによる影響が大きいと考えられています。

日焼けが起きる仕組みは?

 「日焼け」はサンバーン(sunburn)とサンタン(sun tanning)の2種に分けることができます。サンバーンは強い紫外線を浴びたことによる皮膚のやけどで、皮膚表面の組織で炎症が起きる症状をいい、肌が赤くなる日焼けです。サンバーンの原因の7割から8割がUVBによるといわれています。

 一方、日光を浴びた後、肌が小麦色や黒くなることを「サンタン」といいます。皮膚表面にメラニン色素が作られ、それが色素沈着し肌が褐色になります。

 紫外線はその種類、季節、天候によって地表に降り注ぐ量や強さが異なります。服装や日焼け止めの利用など、生活シーンに合わせて紫外線対策をしていきたいですね。

 ところで、人によって肌の色、日焼けの仕方、メラニン色素の蓄積のしやすさが違うのはどうしてでしょうか。これらは、遺伝的な要因が大きいといわれています。例えば、メラニンに関わる遺伝子は150以上報告されているそうです。

 遺伝子検査MYCODEでは、紫外線による肌の光老化や小麦色の日焼けのしやすさについて知ることができます。


監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

※1. 製品評価技術基盤機構、身の回りの製品に含まれる化学物質、1.化粧品「紫外線とその防止指数(SPF及びPA)について」
※2. 日本皮膚科学会、皮膚科Q&A「日焼けはどうして起こるのですか?」