• 遺伝子
  • 関連遺伝子研究
体質・身体

瞳の色や模様は、世界に一つしかない、あなただけのオリジナルだって知っていますか?

公開日:2015年4月9日
更新日:2018年6月18日

 目をじっくりと眺めると、不思議な模様があったり、場所ごとに色が異なっているのがわかるかと思います。模様や色は遺伝的に決められているのでしょうか?


写真はイメージです。記事と直接の関係はありません。(写真:User:Diliff/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 非移植)

 「目力」や、「目は口ほどに物を言う」など、目は他人に強い印象を与えます。例えば、カラーコンタクトや黒目を大きく見せるコンタクトレンズを使うとその人の印象がガラリと変りますよね。
 自分の目の中を鏡でじっと見てみると、瞳の中には模様があります。あなたの瞳の中の模様は、実はあなた一人だけのもので、他に誰も同じ模様の人はいないということを知っていますか?目の色や模様は一体どのように決まるのでしょうか?

目に入る光を調節する組織の「模様や色」

 目は光の情報をとらえるための重要な器官で、多様な組織から構成されています。その中で、「虹彩(こうさい)」は、黒目の中の比較的薄い色の部分のことで、中心の黒い部分である「瞳孔(どうこう)」の外側にあります。
 虹彩は瞳孔を大きくしたり小さくしたりして、眼球内に入る光の量を調節しています。虹彩の色は日本人は茶色の人が多いようですが、人種だけでなくその人ごとに虹彩の色や模様は異なっているのです。

2歳で決まる!?瞳の模様

(写真:"Petr Novák, Wikipedia" /クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 2.5 一般)

 虹彩の模様は生後2年ほどで形作られ、その後は基本的に変わりません。この模様ができる要因は育った環境と、生まれもった遺伝的な影響があわさって決まることが知られています。
 虹彩の模様は遺伝子が同じである一卵性の双子や同一人物の左右の目でも異なり、指紋と同じように個人認証に利用することもできるのです。セキュリティシステムを覗いて本人を確認するシーンは、映画などで見たことがあるかもしれません。

瞳の色を決めるのは、生まれつきの色素の量

 虹彩の色には、ブラウン、ブルー、ヘーゼル、グレー、グリーン、バイオレットの多様な色があり、肌に含まれるものと同じ「メラニン色素」の量で決まります。ブラウンは最もメラニン色素が多い色で、薄青色は最も少ない色です。世界中で最も多く存在する瞳の色はダークブラウンで、アジア人やアフリカ人に多いと言われています。
 肌と同様に、虹彩のメラニン色素も有害な紫外線から人体を守る働きがあります。つまり、瞳の色が青い人は、紫外線に弱いという特徴があり、サングラスをかけている人が多いのには理由があったのです。
  
 ところで、瞳の色が違う人同士が結婚した場合、彼らの子供の瞳の色は何色になるのでしょうか?瞳の色がブラウンの形質は、ブルーやグリーンよりも優先的に子供に遺伝すると考えられています。そのため、アジア人とヨーロッパ人等の国際結婚が進むとブラウンの瞳の色をした人が増えることになります。

あなたも、自分を知る旅へ

 瞳の色や模様は、祖先から引き継がれてきた要素と、生まれてすぐの環境が作りだしていたのですね。これまで自分の目の色や模様をじっくり見たことがなかったかも?
 遺伝子には、目をはじめとした顔や体の特徴だけでなく、自分の祖先がどのような人だったかといったことも描かれています。あなたも、自分を見つける旅に出発してみませんか?ディスカバリーでは、あなたがもつ体質の特徴と、祖先グループからオリジナルキャラクター「ゲノミー」を作ることができます。