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どのくらい運動すれば健康的?適度な運動量が知りたい!

公開日:2015年5月27日
更新日:2020年6月5日

 健康のための適度な運動って一体どのくらいやればいいのでしょうか?米国の研究グループは、「運動量」と「死亡率」についての関係を調査し、結果を報告しました。


どのくらい運動すれば「健康によい」といえるのか?(写真:Shutterstock.com)

適度な運動ってどのくらい!?

 「健康になるためには運動」。よく聞く言葉です。でも、健康のための運動って一体どのくらいすればいいのでしょうか?やりすぎは良くないのでしょうか?

運動すればするほどいいのか、やりすぎは良くないのか

 2008年のアメリカの身体活動ガイドラインでは、ウォーキングなどの軽い運動では週に150分くらい、ランニングなどでは週に1時間程度の運動量が推奨されており、この2倍の運動をするとさらに良いとされています。

 しかし、運動量が多ければ多いほど健康に良いのかどうかは、はっきりした証拠は示されていませんでした。2015年4月、運動すればするほど長生きできるのか、について調べるため「運動量」と「死亡率」の関係を調べた研究結果が報告されました。

やりすぎても害にはならないが・・・

 米国の国立がん研究所の研究グループは、平均年齢62歳の約66万人の男女について14年間の調査を行い、期間内に様々な理由で亡くなった人の死亡率と、運動量の関係を分析しました。

 結果として、全く運動をしていないグループと比べて、ガイドラインで推奨される運動量から2倍までの運動をしていたグループは約31%死亡率が減少、推奨量の2~3倍量のグループは約37%も減少していることがわかりました(※)。やはり「運動による健康効果はある」という結果ですね!

 ところが、さらにそれ以上の運動(推奨の3~5倍の運動量)をしていたグループでは、39%低くなったものの、2~3倍量のグループとそれほど変わりませんでした。

 つまり、ある一定の量以上の運動をしても、健康への効果はそれほど変わらないということなのかもしれません。とはいえこの研究では10倍量の運動をしても運動が害になるということは示されなかったそうです。運動好きな人には嬉しい結果ですね。

たとえ少しの運動でも良い効果

 一方で、推奨された運動量に届かなかったとしても、定期的に運動していた人は全くしない人より死亡リスクが20%低かったそうです!

 運動するのが苦手な人にとっても、少しでもやれば効果があるというのは心強いです!

 スポーツは体を鍛えるだけでなく、ストレスの解消にもなります。休日は家でのんびりも良いけど、運動で汗を流す習慣を付ければ心も体も健康であり続けられるかもしれません。


監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

Arem H, Leisure Time Physical Activity and Mortality: A Detailed Pooled Analysis of the Dose-Response Relationship., JAMA Intern Med.


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