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病気・医療

「納豆巻き」はがんに良くて寿命も延びる!?その秘密は海苔と納豆のビタミンKに!

公開日:2015年3月23日
更新日:2020年8月8日

 ビタミンKって聞いたことありますか?緑黄色野菜や納豆に多く含まれるこのビタミン、普段からたくさん食べるように心がけるとがんに良さそうです!


納豆巻きに多く含まれているビタミンKの秘密とは!?(写真:Shutterstock.com)

「ビタミンK」って?

 ビタミンAが目に良いとか、ビタミンCがお肌に良いとか、ちょくちょく聞きますが、ビタミンKって普段あまり耳にしませんよね。一体ビタミンKって何なのでしょうか?

 ビタミンKには、K1とK2の2種類があります。K1は緑黄色野菜や海藻に多く含まれ、K2は体内の腸内細菌や納豆菌が作り出すことが知られています。そのため、「納豆」はダントツでビタミンKをたくさん含む食品となっています。

 ビタミンKは、怪我などで血が出たときに、血液を固める働きを助けてくれます。病気の治療のために血液が固まらないようにする薬を飲んでいる人は、納豆を食べないように言われますが、これは納豆のビタミンKが薬の効きを悪くしてしまうからなのです。

ビタミンKを食べたらがんの死亡リスクが減った

 ビタミンKは、血液だけでなく血管や骨の形成にも役に立っています。これらのはたらきに関連して、心臓血管系の病気やがんのリスクと関連していると考えられてきました。そんな中、スペインの研究グループが、ビタミンKを摂取する量と、すべてのがんを含む死亡率との関係を調べ、論文を発表しました。

 研究グループは、約7千人を対象に、137品目の食品について食べた量のアンケートを行い、年間のビタミンK摂取量を計算しました。その結果、もともとビタミンK1を取る量が多いほど、がんやその他の原因による死亡率が少なかったのです(※)。

 その後、長い期間にわたって行われた追跡調査においても、ビタミンK1やK2の摂取量を増やした人は、減らした人や変わらない人よりも、がんによる死亡率が減っていました。

つまり「納豆巻き」が優秀?

 納豆以外のビタミンKを多く含む食品は、パセリ、しそ、モロヘイヤ、春菊などです。ちょっとくせのある野菜が多い気もしますね。小松菜やほうれん草にも多く含まれていますが、こちらはお浸しでモリモリ食べられますよね!

 でもやっぱり多いのは納豆です。先ほどご説明した通り、納豆菌がビタミンKを作るので、普通の納豆よりも納豆菌の多い引き割り納豆の方が、ビタミンKは多く含まれています。焼き海苔にもビタミンKは多く含まれるので、「納豆巻き」は、優秀な食品かも知れません。一緒にしそも巻いちゃえば、尚良し!?

 ちなみにこのビタミンK、油に溶けやすい「脂溶性ビタミン」に分類されています。脂溶性ビタミンは、取りすぎると良くない場合があるのですが、ビタミンKについては、これまでに過剰摂取の害は報告されておらず、通常の食事から摂るレベルなら多めに食べても問題なさそうです。

 納豆や緑黄色野菜、普段から意識的に食べるように心がけたいですね!


監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

Juanola-Falgarona M, Dietary intake of vitamin K is inversely associated with mortality risk., J Nutr.


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