耳の立ち具合

耳の立ち具合には個人差が

　耳たぶは、効率よく音を集める役割を担っています。動物によっては、聴きたい音のする方向に向け、より効率よく音を集めることができます。人間は耳たぶを動かすための筋肉が退化しているため、耳たぶを自在に動かす...なんてことはできないようです。

　耳たぶは頭の横にぴったりと付いているわけではなく、少し前を向いて付いていますが、この角度（立ち具合）がどのくらいなのかには個人差があります。顔を正面から見たときに、どのくらい耳が正面に向かって立っているのかは人によって違うはずです。

　耳が立っている角度が30度以上だと、「立ち耳」と呼ばれます。立ち耳の原因として、先天的に対耳輪とよばれる耳たぶのひだの部位が未発達である人が多いようです。

耳の形の大部分は遺伝する！？

　「福耳」の項目でご紹介したように、　耳には、厚みや大きさ、立ち具合など、人それぞれ少しずつ形状が違っており、大部分が遺伝するとされています。

　英国ロンドン大学の研究により、これらの様々な耳の形質と関係する遺伝子が見つかりました。その中でも「耳の立ち具合」は、最も遺伝的な影響が大きいという結果が出ました。

耳の立ち具合と遺伝子の関係とは？

　英国ロンドン大学の研究グループによる研究の結果、rs3827760というSNPに「G」を持っているほど、耳たぶが寝ている傾向があると分かりました。

rs3827760にはGG,AG,AAの遺伝型がありますが、日本人平均と比べると

・GGの遺伝型を持つ人は耳がやや寝ているタイプ
・AGの遺伝型を持つ人は耳がやや立っているタイプ
・AAの遺伝型を持つ人は耳が立っているタイプ

という遺伝的傾向を持っているといえます。