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骨折の治りやすさ

原語
fracture-healing
研究
米国 ペンシルベニア州立大学

この研究のふむふむポイント

意外に身近、でも意外に知らない「骨折」

 子供の頃に転んだり、スポーツをしていたりして骨折をしてしまったことがある方もいるのではないでしょうか。ちなみに、骨折とは「骨が壊れること」をさすので、ひびも骨折に入ります。また、骨の一部分が欠けたり、へこんだりした場合も骨折です。

骨折の治りやすさには個人差がある!

 骨折の治りやすさには個人差があるのを知っていますか?骨折が治りにくくなる要因として、年齢や骨折の部位だけではなく、例えば肥満、喫煙、ビタミンDの欠乏などの環境要因が働いていると分かっています。では、遺伝要因はどうなのでしょうか・・・?

骨折が「治りにくくなる」遺伝型!?

 米国ペンシルベニア州立大学の研究グループによって、骨折が治りにくくなる遺伝型が見つかりました。

  • 2023年8月31日(木)12:00(正午)
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骨折の治りやすさについてもっと知る

意外に身近、でも意外に知らない「骨折」

 今回のMYCODE fumfumのテーマは、「骨折」です。
 骨折には、生命を脅かすような重大なものもあれば、「突き指だと思っていたら、骨折だった!」というような比較的軽いものまであります。(比較的軽いといえど、指の骨折は日常生活では非常に不便ですが・・・)
 骨折とは「骨が壊れること」をさすので、一言で骨折といっても、気づかないような小さなひび、骨の一部分の欠損、へこみなど様々な症状があります。

 骨折の原因として、最も多いのは外傷だと言われています。例えば強くぶつけてしまったり、交通事故にあったり、スポーツでの事故などが挙げられます。
 スポーツでは、転倒や衝突などの事故以外にも、「疲労骨折」と呼ばれる骨折がよく起こります。疲労骨折は、骨に力が継続的に加わることで徐々に骨が弱り、ひびが入ったり骨が折れてしまったりすることで起こります。
 「骨粗しょう症」などの病気によって起こる骨折は、「病気骨折」と呼ばれます。骨粗しょう症の骨は、“鬆(す)”が入ったようにスカスカになるためもろく、わずかな衝撃でも骨折しやすくなります。

骨折の治りやすさには個人差があった!

 折れた骨は、どのように治っていくのでしょうか。
   骨折が治るまでには、「炎症期」、「修復期」、「リモデリング期」という3つの期間があり、異なる細胞群が互いに協調しながら骨を治していきます。

 まず「炎症期」ではダメージを受けた組織や骨の破片、内出血した血液などが免疫系の細胞によって掃除されます。骨折した後、骨折した部位の周辺が腫れてズキズキと痛みますが、これは免疫系の細胞の活動と血流量の増加が原因です。
 続いて「修復期」では、ひびが入ったり折れてしまった骨が、徐々に新しい骨「仮骨(かこつ)」に置き換わっていきます。仮骨はカルシウムを含んでおらず、ゴムのように軟らかく弾力がある未熟な骨で、まだ強さや安定性がありません。
 最後の「リモデリング期」は骨が元の正常な状態に修復されていく期間です。この期間では「修復期」にできた仮骨が少しずつ強い骨に置き換わっていき、骨が本来もっていた正常な形や構造が回復されていきます。

 骨折はこのようなメカニズムを経て通常数カ月~半年で治りますが、骨折の治りやすさにも個人差があるのを知っていますか?正常に治る人もいれば、ギプスを当てていてもなかなか治らないという人もいます。
 骨折が治りにくくなる要因として、年齢や骨折の部位だけではなく、例えば肥満、喫煙、ビタミンDの欠乏などの環境要因が働いていると分かっています。

 では、遺伝要因はどうなのでしょうか?骨折の治りやすさはその人の遺伝子の影響も受けているのではないかと考え、研究を行ったのが、米国ペンシルベニア州立大学医学部の研究グループです。

骨折が「治りにくくなる」遺伝型!?

 ペンシルベニア州立大学医学部の研究グループは、長骨(上腕骨や大腿骨)を骨折した成人62人のうち、骨折の治癒が遅れている人と正常に治った人について、骨に関わるSNPを比較しました。
 研究の結果、「IL1B遺伝子」のrs2853550というSNPが「T」である人は、「C」である人よりも、骨折が治りにくくなると示されました。
 骨は、骨を作る「骨芽(こつが)細胞」と骨を壊す「破骨(はこつ)細胞」が常に働きながら、毎日作り替えられています。IL1Bは主に炎症反応に関わる免疫物質で、破骨細胞を活性化したり、骨形成の阻害に関わったりすると報告されています。
 rs2853550というSNPにはTT,TC,CCの遺伝型がありますが、日本人平均と比べると

・TTの遺伝型を持つ人は「骨折が治りにくい」
・TCの遺伝型を持つ人は「骨折がやや治りにくい」
・CCの遺伝型を持つ人は「骨折がやや治りやすい」

という遺伝的傾向を持っているといえます。

  • 2023年8月31日(木)12:00(正午)
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研究の詳しい内容を見る

 米国ペンシルベニア州立大学医学部の研究グループは、長骨(上腕骨や大腿骨)を骨折した成人62人のうち、骨折の治癒が遅れている33人と、正常に治った29人との遺伝型を比較しました。

 研究グループは、頬の内側を専用ブラシでこすって採取した粘膜細胞からDNAを取り出しました。そのDNAを用いて、「マイクロアレイ」という解析方法で、骨に関係すると考えられる30の遺伝子に存在する、合計144のSNPの遺伝型を調べました。
 その結果、骨を壊す「破骨細胞」の活性化に関わる「IL1B遺伝子」に存在するrs2853550というSNPと、骨折の治りやすさとの間に関連が見つかりました。

対象SNPの遺伝型に基づき、以下のタイプに区分されます。

  • 治りにくい
    1.6%TT
  • やや治りにくい
    21.9%TC
  • やや治りやすい
    76.6%CC
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