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握力
- 原語
- grip-strength
- 研究
- 米国 スタンフォード大学
この研究のふむふむポイント
手を握りしめる力「握力」、あなたはどのくらい?
握力を測定したことがある方は多いのではないでしょうか。握力は手を握りしめる力のことです。平成30年の日本人男性の握力は30~34歳が測定したすべての世代の中で最も高く、平均47.14kgだったそうです。あなたの握力はどのくらいでしょうか?
たかが握力ではない!?握力が健康のバロメータである理由とは
握力は、体力や筋力、さらには健康状態を測定する方法の一つとしても用いられていることをご存知ですか?体力測定を本格的に行おうとすると、それなりの設備や場所も必要ですが、握力は、設備がなくてもすぐに計測することができます。握力は、体力測定結果だけでなく、認知症や死亡率と関連しているという報告もあるのです。
握力に関連する遺伝子はあるの?
米国のスタンフォード大学をはじめとする研究グループは、rs543874と呼ばれるSNPが、握力と関連していることを報告しました。
握力についてもっと知る
手を握りしめる力「握力」、あなたはどのくらい?
学校の体力測定などで、握力を測定したことがある方は多いのではないでしょうか。握力は手をぎゅーっと握りしめる力のことで、握力を測るための専用の機械を使って測定します。
日本人の握力は、主に文部科学省(スポーツ庁)が行う体力・運動能力調査で測定されています。この調査は東京オリンピックが開催された昭和39年から、国民の体力や運動能力の現状を調べる目的で毎年実施されているそうです。6歳から79歳までの幅広い年齢層で調査が行われています。
上記の調査によれば、平成30年の男性の握力は、すべての世代の中で30~34歳が最も強く、平均47.14kgとなっています。女性の握力は35~39歳が最も強く、平均29.02kgでした(※1)。あなたの握力はどのくらいでしょうか?
ところで、日本において子供の握力は年々減少傾向にあることがわかってきているそうです。昭和60年代と比較すると子供たちの体力が大きく落ちていると言われている中、特に握力については、比較的最近の平成20年から見ても、年々減少しているそうです(※2)。手を使った遊びや、水道の蛇口をひねる機会も少なくなるなど、子供を取り巻く環境が変わっていることも原因の一つかもしれません。
たかが握力ではない!?握力が健康のバロメータである理由とは
握力は、ただ手を握る力ではありますが、その人の体力や筋力、さらには健康状態を測定する方法の一つとしても用いられていることをご存知ですか?
体力測定を本格的に行おうとすると、それなりの設備や場所も必要ですが、握力を測る握力計は小型ものがほとんどで、設備がなくともすぐに計測することができます。特に、高齢者においては、体力や筋力の低下は転倒・骨折、寝たきりにつながるなど、継続的な測定が健康管理において重要となっているため、握力測定が注目されているのです。
握力が疾患リスクや健康に関連するという調査は、多くの研究機関が行っています。認知症や死亡率と関連しているという報告もあり(※5-7)、握力は健康の重要なバロメータの一つであるとも言ってもいいかもしれません。
握力に関連する遺伝子はあるの?
米国のスタンフォード大学をはじめとする研究グループは、rs543874と呼ばれるSNPが、握力と関連していることを報告しました。
研究によれば、rs543874に「G」を持つ人は「A」を持つ人より握力が弱い傾向があるということです(※8)。
rs543874にはGG、GA、AAの遺伝型がありますが、日本人平均と比べると
・GGの遺伝型を持つ人は「握力が弱いタイプ」
・GAの遺伝型を持つ人は「握力がやや弱いタイプ」
・AAの遺伝型を持つ人は「握力がやや強いタイプ」
という遺伝的傾向を持っていると言えます。
研究の詳しい内容を見る
米国のスタンフォード大学医学部をはじめとする研究グループは、約22万人のヨーロッパ人の40歳から69歳の握力測定結果と遺伝型との関連について、ゲノムワイド関連解析を行いました。
解析の結果、1番染色体上にあるrs543874と、握力について関連があることがわかりました(※8)。
対象SNPの遺伝型に基づき、以下のタイプに区分されます。
- 握力が弱い
- 4.0%GG
- 握力がやや弱い
- 31.9%GA
- 握力がやや強い
- 64.2%AA