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シミのできやすさ(腕)
- 原語
- pigment-forearm
- 研究
- 中国 中国科学院
この研究のふむふむポイント
どうしてシミができるの?
シミとは、メラニンと呼ばれる色素が皮膚に沈着した状態をいいます。メラニンは紫外線などの刺激を受けて、表皮にあるメラノサイトという細胞で作られます。このシミですが、一言でシミといっても様々な種類があることをご存知ですが?シミは大きく4つにわけることができます。
シミの原因の多くは紫外線!できたシミはどうする?
シミの対策で最も重要なのは予防。特に、一番の原因である紫外線を防ぐことが最も効果的です。でも、すでにできてしまったシミはどうすればよいのでしょうか?シミは、蓄積された紫外線のダメージと、加齢による新陳代謝の低下という2つの要因により年齢と共に増えていきますが、新陳代謝を上げることでシミを薄くすることができるかもしれません。
シミができやすいのは、遺伝子のせいかも!?
シミのできやすさには、環境以外に体質も関係しますが、今回、中国科学院の研究グループによって、メラニンの合成に関与するBNC2遺伝子に存在するrs10733310と呼ばれるSNPが、腕にできたシミの数と関連していることが報告されました。
シミのできやすさ(腕)についてもっと知る
どうしてシミができるの?
最近、手の甲や腕にシミが目立ってきた…と感じることはありませんか?体質や環境にもよりますが、シミができるメカニズムからすると、年齢と共にシミが増えてくるのは当然のことなのです。
シミとは、メラニンと呼ばれる色素が皮膚に沈着した状態をいいます。メラニンは紫外線などの刺激を受けて、表皮にあるメラノサイトという細胞で作られますが、全くの悪者というわけではなく、実は紫外線から細胞を守るために必要な物質です。しかし、皮膚の新陳代謝が低下すると、メラニンの生産と排出のバランスが崩れ、シミが生じるのです。
この新陳代謝の低下は、「生理的老化」といって加齢とともに自然に起こるものですが、紫外線の浴びすぎ、あるいは長期間のダメージの蓄積による「光老化」でも引き起こされることが分かっています。
ところで、一言でシミといっても様々な種類があることをご存知ですが?シミは色や形態、できる場所などで大きく4つにわけることができます。
・老人性色素斑:40歳以降、顔面や手の甲など日光に当たる部分に多発する淡~濃褐色のシミです。長期間、紫外線にさらされることで生じると考えられています。日光黒子(にっこうこくし)とも呼ばれます。
・肝斑(かんぱん):30代、40代に多いシミで、紫外線がよく当たる額や頬のあたりに境界線のはっきりとした褐色のシミです。メラニンの生産が多くなっている状態で、紫外線により悪化するとされています。
・そばかす:頬から鼻にかけて数ミリの淡褐色のシミが3歳ごろから生じ、思春期に目立つようになります。色の白い人に多く、遺伝性であると考えられています。雀卵斑(じゃくらんはん)とも呼ばれます。
・炎症後色素沈着:やけどや虫刺され、アトピーなど、皮膚の炎症が治った後に生じるシミのことです。
シミの種類によってシミができるメカニズムが異なることから、シミの種類に合わせた治療が大事であると考えられています。気になる方は、専門の医療機関を受診してみてはいかがでしょうか(※1)。
シミの原因の多くは紫外線!できたシミはどうする?
シミの対策で最も重要なのは予防。特に、一番の原因である紫外線を防ぐことが最も効果的です。
シミは紫外線を浴びた途端できるわけではなく、長年の紫外線ダメージが蓄積され、一定以上に達すると生じます。子供の頃は戸外で遊ぶことが多いことから、「人は生まれてから18年で、生涯に浴びる紫外線の半分を浴びている」という説もあります。適度に日光に当たることは健康のためにも必要ですが、過度の紫外線を防ぐための対策は必要です。
具体的な対策としては、
・紫外線強度の強い時間帯の外出を避ける
・日傘やつばの大きい帽子、長袖の上着などで肌の露出を減らす
・市販の日焼け止めをムラなく、こまめに塗りなおす
などが挙げられます。
ちなみに、肌のタイプによって紫外線から受けるダメージにも差があるため、市販の日焼け止めを選ぶ際、日光を浴びた時に肌が赤くなる人は「SPF値」の高いものを、黒くなる人は「PA値」が高いものを選ぶとよいでしょう。また、肌が赤くなるタイプは紫外線感受性が高いため、より厳重な紫外線対策をおすすめします。
では、すでにできてしまったシミにはどう対処すればいいのでしょうか?シミは肌の新陳代謝の低下やメラニンを生成するメラノサイトの異常も原因の一つであると知られています。肌の新陳代謝を促進することでシミを薄くすることができます。出来てしまったシミを薄くするためには、紫外線によるダメージを軽減するビタミンCの摂取や、化学薬品を使用して表皮を一定の厚さで剥離するケミカルピーリング、あるいはレーザー治療など、様々な対処法があります(※2)。
シミができやすいのは、遺伝子のせいかも!?
シミはそのメカニズムから、いくつかの遺伝子が関与していることが明らかになっており、紫外線の影響を受けやすい欧米人を中心として研究が進められています。
今回、中国科学院の研究グループは、欧米人でシミとの関与が明らかになった遺伝子がアジア人においても関与してるのかを調べました。すると、メラニンの合成に関与するBNC2遺伝子に存在するrs10733310と呼ばれるSNPが、腕にできたシミの数と関連していることが明らかになりました。
この研究では、rs10733310に「T」を持つ人の方が「G」を持つ人よりシミの数が少ない傾向にあることが分かりました(※3)。
rs10733310にはTT、TG、GGの遺伝型がありますが、日本人平均と比べると
・TTの遺伝型を持つ人は「腕にシミができにくいタイプ」
・TGの遺伝型を持つ人は「腕にシミがややできにくいタイプ」
・GGの遺伝型を持つ人は「腕にシミができやすいタイプ」
という遺伝的傾向を持っていると言えます。
研究の詳しい内容を見る
中国科学院をはじめとする研究グループは、502人の中国人女性を対象に、これまで欧米人でシミやシワといった肌の老化に関与するとされている遺伝子のSNP、530個とシミの数との関連解析を行いました。
その結果、メラニン合成に関与するとされるBNC2遺伝子のイントロンに存在するrs10733310と前腕部分のシミの数に関連があることが分かりました。
対象SNPの遺伝型に基づき、以下のタイプに区分されます。
- 腕にシミができにくい
- 15.5%TT
- 腕にシミがややできにくい
- 47.8%TG
- 腕にシミができやすい
- 36.7%GG