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言語性IQ
- 原語
- verbal-iq
- 研究
- アイスランド deCODE Genetics社
この研究のふむふむポイント
「頭の良さ」と遺伝子との関係とは
遺伝子と認知力の個人差に何らかの関係があることは様々な先行研究で調べられてきましたが、関係があるとわかっている遺伝子はまだ数が少ないようです。今回紹介するdeCODE Genetics社による研究では、遺伝子と「言語性IQ」との関係が調べられました。
「言語性IQ」ってどんな内容なの?
「言語性IQ」とは、主に言語を使った思考力や表現力の知能指数のことです。言語性IQのテストでは単語を提示されてその意味を答える語彙の問題など、出題者の問に対して言葉を使って考え、回答する内容が中心となっているほか、記憶力が試されるような内容も出題されます。
言語性IQも遺伝型のタイプでわかる?
deCODE Genetics社の研究グループによる研究の結果、「ウェクスラー成人知能検査」における言語性IQのスコアと関係する遺伝型が見つかりました。
言語性IQについてもっと知る

「頭の良さ」と遺伝子との関係とは
頭の良さは、生まれつき決まっているのでしょうか。遺伝子と認知力の個人差に何らかの関係があることは様々な先行研究で調べられてきましたが、関係があるとわかっている遺伝子はまだ数が少ないようです。
最近の研究から、「学力」と関連のあるとされる3つのSNPが見つかっています。これらの遺伝子は、認知力にも同様に関係していることが推測されていましたが、具体的にどのような認知力に関係しているかまではわかっていませんでした。
今回紹介するdeCODE Genetics社による研究では、それらの3つのSNPと認知力との関係が調べられました。

「言語性IQ」ってどんな内容なの?
認知力の指標の1つが「IQ」ですが、IQを測定するテストには様々な種類があります。今回紹介する研究では「ウェクスラー成人知能検査」というテストが使用されました。
「ウェクスラー成人知能検査」は知能の測定のために病院などでも使われており、「言語性IQ」と「動作性IQ」、これらを合わせた総合的なIQの合計3つをそれぞれ測定できます。
「言語性IQ」とは、主に言語を使った思考力や表現力の知能指数のことです。言語性IQのテストでは単語を提示されてその意味を答える語彙の問題など、出題者の問に対して言葉を使って考え、回答する内容が中心となっているほか、記憶力が試されるような内容も出題されます。
もう一方の「動作性IQ」のテストでは、作業や運動を行う上での判断力や推論などが測定されます。言語性IQのテストとは対象的に、図形の法則を推理する問題など、視覚情報を扱ったテストが多いようです。
ちなみにレイクヘッド大学の研究によると、心配性の人は言語性IQが高く、動作性IQが低い傾向があるそうですよ。
言語性IQも遺伝型のタイプでわかる?
deCODE Genetics社の研究グループによる研究の結果、rs4851266というSNPに「T」を持っているほど、「ウェクスラー成人知能検査」における言語性IQのスコアが高い傾向があるとわかりました。
rs4851266にはTT,TC,CCの遺伝型がありますが、日本人平均と比べると
・TTの遺伝型を持つ人は言語性IQが高いタイプ
・TCの遺伝型を持つ人は言語性IQがそれほど高くないタイプ
・CCの遺伝型を持つ人は言語性IQが高くないタイプ
という遺伝的傾向を持っているといえます。
研究の詳しい内容を見る
deCODE Genetics社の研究グループは、821人のアイスランド人、2,679人のドイツ人、303人のノルウェー人を対象とした遺伝型と言語性IQとの関連解析を行いました。
その結果、言語性IQのスコアと、rs4851266というSNPとの関係が見つかりました。
この研究において使用されたテストは、「ウェクスラー成人知能検査」というテストです。成人用(16~74歳)、子供用(5~15歳)など年齢別にテストが別れており、病院等で知能を測定する際にも使われています。スコアは100が平均とされており、130以上が「非常に優れている」という分類になります。
対象SNPの遺伝型に基づき、以下のタイプに区分されます。
- 言語性IQが高くない
- 24.1%CC
- 言語性IQがそれほど高くない
- 50.0%TC
- 言語性IQが高い
- 25.9%TT