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座りがちな行動 -余暇のコンピューターの利用-
- 原語
- leisure-computer-use
- 研究
- オランダ フローニンゲン大学医療センター
この研究のふむふむポイント
コンピューターとの正しい付き合い方
仕事以外で、ついつい長時間コンピューターの前に座っている方も多いのではないでしょうか。
コンピューターの使用時間と健康の関係性は?
コンピューターの過剰な使用により間食の機会が増えることで、全体的なエネルギー摂取量が増えることがあります。
余暇のコンピューターの使用時間と遺伝子の関連性
オランダのフローニンゲン大学医療センターの研究では、余暇のコンピューターの利用に関連のあるSNPがMMS22L遺伝子の近傍に見つかりました。
座りがちな行動 -余暇のコンピューターの利用-についてもっと知る
コンピューターとの正しい付き合い方
最近は、コンピューターよりスマートフォンやタブレットの使用頻度が高い人が多くなってきました。デジタル機器の過剰な使用は、肩こりや目の疲れを引き起こし、インターネット依存も問題になっています。インターネット上では、煩雑な情報も多く、正しい情報を見極める力も必要になっています。
プログラミングも小学生の授業に組み込まれ、コンピューターはなくてはならない道具になってきました。現在のコンピューターは、使い過ぎを防ぐために、スクリーンタイムを設定できるようになってきています。健康を害さずに、デジタル機器と上手に付き合っていきたいものですね。
コンピューターの使用時間と健康の関係性は?
コンピューターを1日あたり2時間以上使用する青少年は、毎日の果物や野菜の摂取量が減り、ファストフードを食べる回数が増え、全体的なエネルギー摂取量が増加する傾向がみられました(※1)。青少年による、余暇のコンピューターの過度な使用は、肥満との関連性が報告されています(※2)。一方、中高年の余暇のコンピューターの使用は、肥満と相関する可能性は低いそうです(※3)。
余暇のコンピューターの使用時間と遺伝子の関連性
オランダのフローニンゲン大学医療センターの研究では、MMS22L遺伝子の近傍に存在するrs9372625と呼ばれるSNPが、余暇のコンピューターの利用に関連性が高いことが明らかになりました。
研究によれば、rs9372625に「G」を持つ人の方が「A」を持つ人より、コンピューターを利用しない傾向にあります(※3)。
rs9372625にはGG、GA、AAの遺伝型がありますが、 日本人平均と比べると
・GGの遺伝型を持つ人は「余暇にコンピューターを利用しないタイプ」
・GAの遺伝型を持つ人は「余暇にややコンピューターを利用するタイプ」
・AAの遺伝型を持つ人は「余暇にコンピューターを利用するタイプ」
という遺伝的傾向を持っていると言えます。
研究の詳しい内容を見る
オランダのフローニンゲン大学医療センターの研究グループは、余暇の座りがちな行動を把握するために、UKバイオバンクの40〜69歳の503,325人を対象としてアンケートを行い、ゲノムワイド関連解析(GWAS)を実施しました。アンケートの内容は、余暇に「何時間テレビを視聴しますか?」、「仕事以外でコンピューターを何時間使用しますか?」と「運転を何時間しますか?」の3つの質問です。
解析は、ヨーロッパ人を祖先とする、1日の平均テレビ視聴時間が2.8時間、コンピューター使用時間が1.0時間、運転時間が0.9時間である424,953人(男性47.7%、女性52.3%、平均年齢57.4歳)を対象に行いました。その結果、統計学的に有意差のあるSNPが、テレビ視聴は145個、コンピューターの利用は36個、ドライブ行動は4個見つかりました。
3つの座りがちな行動間の関連性は、スピアマンの順位相関で検定しました。また、3つの座りがちな行動と、冠動脈疾患や学歴、BMIなど他の表現型との遺伝的相関は、メンデルランダム化(MR)解析を実施しました。
余暇のコンピューターの使用に関連性の高いSNPはrs9372625で、MMS22L遺伝子の近傍の遺伝子間領域に存在しました。MMS22L遺伝子とは、ゲノムDNAの二重螺旋構造が破壊された時に修復するタンパク質をコードする遺伝子です(※4)。
この研究から、3つの座りがちな行動のうち、観察的、および遺伝的に余暇のテレビ視聴による座りがちな行動の増加のみが、冠動脈疾患の危険因子であるという仮説に対して、裏付けを得ることができました(※3)。
対象SNPの遺伝型に基づき、以下のタイプに区分されます。
- 余暇にコンピューターを利用しない
- 41.5%GG
- 余暇にややコンピューターを利用する
- 45.9%GA
- 余暇にコンピューターを利用する
- 12.7%AA