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女性特有の病気の治療薬、赤ちゃんへの影響は?

2015年05月18日 10時00分

 不妊の原因にもなる多嚢胞性卵巣症候群の治療に糖尿病のメトホルミンという薬が使われることがあります。イタリアの研究グループは、メトホルミンが生まれてくる子供に影響を及ぼすかどうかを調べました。


多嚢胞性卵巣症候群の治療に使用される薬の影響は?(写真:Shutterstock.com)

多嚢胞性卵巣症候群とは

 多嚢胞性卵巣症候群という名前の病気を聞いたことはありますか?多嚢胞性卵巣症候群は、卵胞が卵巣の中にたくさんでき、この卵胞が発育するのに時間がかかってなかなか排卵しない疾患で、不妊原因のひとつとなっています。

 妊娠可能な年齢の女性の5~10%の人がかかっているといわれ、月経周期が35日以上、無排卵による生殖障害、月経不順、アンドロゲン過剰症状、にきびが多い、やや毛深い、肥満などの症状が特徴で、メタボリックシンドロームの症状と似ていることが知られています。

糖尿病の治療薬が治療に使われることも

 多嚢胞性卵巣症候群の治療に用いられる薬のなかにメトホルミンという薬があります。メトホルミンはこれまで糖尿病の治療に使われてきた薬ですが、この薬に排卵率や妊娠率を向上させる効果があることがわかり、多嚢胞性卵巣症候群の治療に使われるようになりました。一部の人は、メトホルミンを毎日飲むことにより2~3ヶ月で効果が出るといわれています。

先天性奇形の発生リスクは?

 この治療薬を妊娠前や妊娠初期に使用したことによる赤ちゃんへの影響を調べた研究は非常に少なく情報が限られていました。2014年イタリアのパドヴァ大学の研究グループは、妊娠期の最初の3カ月間にメトホルミン治療を受けたグループと、この薬を使っていなかったグループで比較し、メトホルミンの服用による先天性奇形の発生リスクについて調べました。

子供に悪い影響を与えなかった

 その結果、メトホルミンを服用したグループだけで先天性奇形の発生頻度が高くなるという結果は得られませんでした(※)。また、妊娠前もしくは妊娠発覚後にメトホルミンの服用を止めたグループと出産まで飲み続けたグループの間においても先天性奇形の発生頻度に差はみられませんでした。

 今回の研究では、メトホルミンの服用と先天性発生のリスクには関連がみられないという結果が得られました。ただし、治療の方法は、症状の種類と程度、年齢、妊娠の予定などによって変るため、お医者さんとよく相談してくださいね。


監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

Cassina M, First-trimester exposure to metformin and risk of birth defects: a systematic review and meta-analysis., Hum Reprod Update.

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