- 肥満
- 2型糖尿病
- 女性
- 妊娠
- 子供
ママの体重コントロールで、赤ちゃんの死亡率は減少!ただし、痩せすぎはだめ!
若い女性の痩せすぎが問題に
20代、30代の日本人女性はBMI18.5未満の痩せている人が多いといわれています。妊娠したときに痩せすぎていると、体重の軽い子供が生まれやすく、体重の軽い子供は将来、糖尿病や高血圧などの生活習慣病になりやすいとして、問題視されているのです。
妊婦さんの肥満は生まれてくる赤ちゃんに影響するのか
とはいえ、妊婦さんはどれだけ太っていても良いということではないようです。
スウェーデンの研究グループによって、母親の妊娠初期のBMI値(肥満度の指標)と、生まれてきたけれども亡くなってしまった赤ちゃんとの関連性を調べたところ、母親の肥満度が高いほど、赤ちゃんの死亡リスクが高まることが報告されているのです。
肥満度合いと赤ちゃんの死亡リスクに関連
この研究は、スウェーデンで1992年から2010年の間に生まれた、約200万人の赤ちゃんとその母親を対象として調査はおこなわれました。
母親が妊娠初期に標準体重*だった場合、赤ちゃんが亡くなってしまったのは400人に1人であったのに対し、太り気味~肥満1度では若干死亡リスクが上がり、肥満2度~肥満3度では標準体重の場合の2倍以上に増加、重度の肥満(肥満3度)においてはさらに増加していることが明らかになりました(※)。
*論文では、標準体重:BMI18.5~24.9、太り気味:BMI25.0~29.9、肥満1度:BMI30.0~34.9、肥満2度:BMI35.0~39.9、肥満3度:BMI40.0以上として報告されています(日本の肥満度分類とは異なることにご注意ください)
生まれた赤ちゃんが早産だったか、正期産(37週以上)だったかに分けて比較したところ、母親の肥満は正期産の赤ちゃんの死亡リスクと関連していることがわかりました。
体重管理は重要
さらに、重度の肥満は、先天性疾患や乳幼児突然症候群による死亡リスクとも関連していました。
ママになろうと思っている人は、かわいい赤ちゃんのために、標準体重をキープしておくのが良さそうですね。
監修者
医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。