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MYCODE会員はこのパンデミックをどう受け止めたのか?~アンケートから見る、新型コロナウイルス感染の影響~【MYCODEレポート】

公開日:2020年6月25日
更新日:2021年6月17日

新型コロナウイルスに関する意識調査を行いました(写真:Shutterstock.com)

 2020年、急激な感染拡大によって私たちの生活を一変させた新型コロナウイルス。外出自粛要請や行動制限の影響を受けて、人々の生活や健康はどのように変化したのでしょうか?そして、人々は新型コロナウイルスの収束後(いわゆる「アフターコロナ」)をどう考えているのでしょうか?
 
 健康意識が高く、社会課題に敏感なMYCODE会員の皆様が、このパンデミックをどのように受け止めているのか、実際の行動変化、社会情勢への評価、今後のイメージなどをアンケートでお伺いしました。

アンケート実施概要

 新型コロナウイルスの生活、心身への影響などについて、独自のアンケート調査を実施しました。

<調査概要>
調査期間:2020年5月8日 ~ 5月14日
調査対象:MYCODE会員
調査方法:メールマガジン会員向けインターネット調査
有効回答数:2995件
男性:1528名(20代:22名、30代:154名、40代:407名、50代:540名、60代:314名、70代:80名、80代以上:11名 )
女性:1459名(20代:26名 30代:184名、40代:487名、50代:523名、60代:204名、70代:33名、80代以上:2名)
その他:8名(20代:2名、30代:2名、40代:1名、50代:1名、60代:1名、70代:1名、80代以上:なし )

緊急事態宣言下、テレワークを取り入れて働く人が半数を占める

 アンケートを行った5月上旬の緊急事態宣言下において、お仕事をお持ちの方は勤務状況がこれまでとは大きく変化していた方も多かったのではないでしょうか。

 「緊急事態宣言以降のお仕事の状況について教えてください。」という設問において、「完全にテレワーク・在宅勤務」、「テレワーク・在宅勤務がメインだが、一部出勤している」、「出勤とテレワーク・在宅勤務が半々」などの回答が多く見られ、MYCODE会員の中でテレワークを業務に取り入れる働き方をしている方は、就業している人の半数以上に上っていることが見えてきました(図1)。

図1. 緊急事態宣言以降のお仕事の状況について教えてください。

ほとんど全ての人が外出を自粛

 次に、「各自治体の外出自粛要請に伴い、仕事以外の外出を控えていますか?」という設問では、回答されたMYCODE会員のほとんどが「目的を問わず控えている」もしくは「目的によって控えている」と回答し、なんと98%以上の方が何らかの形で外出を自粛していたことが明らかになりました(図2)。

 MYCODE会員の健康や社会への意識の高さだけでなく、新型コロナウイルス感染への関心の高さが現れた結果となったと考えられます。

図2. 各自治体の外出自粛要請に伴い、仕事以外の外出を控えていますか?

 また、「どのような外出を控えていますか?」という設問では、「友人との食事やイベントなど社交目的の外出」、「ライブやスポーツ観戦など不特定多数が集まる場への外出」、「映画鑑賞など一人でもできる趣味の外出」、「ジム・体育館などスポーツ施設での運動」の4項目については80%以上の方が控えていることがわかりました(図3)。一方で「近所への短時間の散歩・運動」、「生活必需品・食品の買い物」などの外出を控えていた方は少なくなっていました。

 いわゆる「3密」となりやすい場所や、感染者のクラスターが発生していたと報道された場所などへの外出については多くの方が自粛し、食品の買い物や散歩に留めた最低限の外出を行っていたと考えられます。

図3. どのような外出を控えていますか?

身体や心の健康にも影響

 非常事態宣言下で、生活にはどのような変化があったのでしょうか。「非常事態宣言以降、下記の各項目への影響をどのように感じていますか?」という設問では、人間関係や健康などに関する6つの状況について、「とても良くなった」から「とても悪くなった」まで、5段階の評価で答えていただきました。

 その結果、家族や友人などの人間関係には「良くなった」や「変わらない」と答えた方を合わせると全体の9割以上を占めていたのに対し、身体や心の健康状態は「悪くなった」と答えている方が2~3割となっており、身体の不調や精神的なストレスを感じる方も多かったのではないかと推測されました(図4)。

図4. 非常事態宣言以降、各項目への影響をどのように感じていますか?

料理や家事などが増える一方で運動や社交の機会は減少

 生活習慣にはどのような変化があったのでしょうか。「生活習慣のうち、機会(頻度)が増えたものを教えてください。」という設問では、「料理(自炊)」や「買い物(インターネットを含む通販)」、「家事」という項目が上位となりました(図5)。

 反対に、「生活習慣のうち、機会(頻度)が減ったものを教えてください。」という設問については、「移動」、「社交」、「買い物(実店舗)」、「運動」といった項目が上位となっていました。

 自宅で過ごす機会が増え、料理をしたり、家事をしたりして過ごす時間が増えた方が多かった一方で、外出は極力避ける生活の中で、運動や社交の機会が減少しているようです(図6)。

図5. 生活習慣のうち、機会(頻度)が増えたものを教えてください。

図6. 生活習慣のうち、機会(頻度)が減ったものを教えてください。

情報は主にテレビやインターネットから。情報は多いが信用性について不満

 アンケートでは、新型コロナウイルスに関連した情報について、感じていることやどのような情報が求められているのかについてもお聞きしました。

 「新型コロナウイルス関連の情報をどこから得ていますか?」という設問では、「インターネット(ニュースサイト)」(89.6%)、「テレビ・ラジオ」(88.9%)と続き、「新聞」(33.7%)や「インターネット(SNS)」(32.7%)を大きく引き離しました(図7)。ほとんどの人が、インターネットのニュースサイトやテレビなどから情報を得ていることがわかりました。

図7. 新型コロナウイルス関連の情報をどこから得ていますか?

 一方で、「新型コロナウイルス関連の情報について、どのように感じていますか?」という設問では、「自分に必要な情報だけを得ていれば問題ない」と答えた方が2割程度みられたものの、「情報は多いが、信用できるものが少ない」(31.9%)や、「情報が多く、何を信用して良いかわからない」(28.8%)など、情報量は多いと感じながらも、情報の信用性について不満を持っている方を合わせると6割にも上ることがわかりました(図8)。

図8. 新型コロナウイルス関連の情報について、どのように感じていますか?

新型コロナウイルスについて、どのような情報が求められているのか

 「新型コロナウイルス関連の情報について、重視するのはどういった点ですか?」という設問では、「医師・大学教授・医療関係者など信頼できる発信者からの情報であること」や「一定の研究や試験の結果など、エビデンスがあること」に続き、「政府・自治体・官公庁など公的機関からの情報であること」が上位を占めていました(図9)。多くの方が、様々な情報への科学的な根拠や信頼性を求めていることが浮き彫りになっていると言えます。

図9. 新型コロナウイルス関連の情報について、重視するのはどういった点ですか?

 それでは、アンケートが行われた5月上旬時点、多くの方にどのような情報が求められていたのでしょうか。「新型コロナウイルス関連の情報について、どういう情報がほしいと思われますか?」という設問では、「感染を判断するための情報」や「有効な予防に関する情報」について6割以上の方が求めていることがわかりました。新型コロナウイルス感染を身近に感じる中で、自分がどのように行動すればよいのかについての情報を求める人が多くなっていたと考えられます(図10)。

図10. 新型コロナウイルス関連の情報について、どういう情報がほしいと思われますか?

収束する時期を想像できない中、アフターコロナでやりたいことは「旅行」が1位

 「新型コロナウイルスの生活への影響が収束する時期は、いつ頃と予想されますか?」という設問では、「収束時期を想像できない」(34.6%)と答えた方が最も多く、次に「9月以降」(17.4%)、「6月末頃」(17.2%)と予想が分かれた形になりました(図11)。

図11. 新型コロナウイルスの生活への影響が収束(※)する時期は、いつ頃と予想されますか?
※感染者が減少あるいはゼロになる、医療機関の病床ひっ迫が解消される、外出制限が緩和されるといった状況を想定

 しかし、このような誰もが先の見えない自粛生活を送る中、「このコロナウイルス感染が収束したら」という想いが強くなっている方も多いことが予想されます。

 「ご自身でアフターコロナにやりたいこと、予定していることなどがあれば教えてください。」という設問では、「旅行」、「外食する」、「友人と会う」などに多くの方が回答されていました(図12)。「旅行」については7割以上が回答され、多くの方が旅行やレジャーを望みながらも自粛せざるを得ない現状が見えてきました。

 一方で「特にない」と答えた方は3%程度と最も少なく、ほとんどの方にとってアフターコロナを待ち望む生活が続いていると感じられました。

 「その他」を選択された方には、記述形式での回答もいただきました。その中でもっとも多かったのが「帰省」や「離れている家族・親類に会いに行きたい」というご意見でした。自粛期間中に、改めて家族のつながりを意識された方が多かったのではないでしょうか。

 さらに、「出張」、「登山」、「美容室」、「エステ」、または「飲み会」といった、以前の生活の中では当たり前に行えていたことの再開を望む声が多く見られました。少数派の中には、「これからもずっとリモートがいい」というご意見もあり、それぞれの方が、アフターコロナに様々な思いを持っておられることを感じることができました。

図12. ご自身でアフターコロナにやりたいこと、予定していることなどがあれば教えてください。

アフターコロナの経済状況はどう変化するのか?

 さらにアンケートでは、新型コロナウイルス収束後の経済状況についても予想をしていただきました。「アフターコロナの日本経済にはどのような変化があると考えますか?」という設問では、「景況感が悪くなり、今より不況になる」(22.4%)や、「景況感は停滞し、成長は見られない」(30.1%)と答えた方を合わせると、今後の日本の経済状況に悲観的な見方をする人が半数以上であることがわかりました(図13)。その一方で、「新しい市場や企業が生まれ、成長する」と答えた方が3割近くおられたことも、注目すべき点であると思われました。

図13. 経済への影響も大きい新型コロナウイルスですが、アフターコロナの日本経済にはどのような変化があると考えますか?

 それでは、MYCODE会員はどのような市場が成長すると考えているのでしょうか。「アフターコロナの成長市場(業界・企業)について、予想されているものがあれば教えてください。」という設問では、「その他」という項目を含む18個の項目の中から、成長されると予想される市場を予想していただきました。

 その結果、「医療医薬・バイオ」と答えた方が7割以上にもなり、今回のような未知のウイルス感染拡大の中で、多くの方に医薬品やバイオの分野が期待されていることがわかりました(図14)。

 また、「情報・通信・広告」や「物流・運輸」の市場についても、3~4割の方が成長を予想する結果となりました。人と人とが接する機会を減らす生活が当面続きそうな中、新たな生活スタイルに欠かせないインターネットや、通信販売などを担う輸送にも注目が集まっているのかもしれません。

 「その他」での記述形式での回答の中には、「農業」や「教育」といった意見が多くみられましたが、それ以外にも様々な業種についての予想がみられました。「予想もしないような分野が現れる」といった意見も多くあり、このような大きな混乱の後、世界の経済が未知の方向に大きく変化していくことを、多くの方が感じているのではないかと思わせる結果となりました。

図14. アフターコロナの成長市場(業界・企業)について、予想されているものがあれば教えてください。

抗体検査・抗原検査、「両方とも受けたい」が6割以上

 今後、抗体検査・抗原検査を受けてみたいかどうかについてもお聞きしました。

 「新型コロナウイルスに対する『抗体検査』や『抗原検査』について、今後導入された場合に受けたいと思われますか?」という設問では、「両方とも受けたい」と答えた方が6割以上となり、多くのMYCODE会員が希望していることがわかりました(図15)。日々、新型コロナウイルス感染を身近に感じる中で、不安を少しでも解消したいという気持ちから検査を受けたいという方も多いのではないかと推測されました。

図15. 新型コロナウイルスに対する「抗体検査」や「抗原検査」について、今後導入された場合に受けたいと思われますか?

今後もMYCODEのアンケートにご協力お願いいたします

 MYCODE会員の新型コロナウイルスに関する意識調査レポート、いかがでしたでしょうか?今回のアンケートは、新型コロナウイルスへの関心の高さもあり、多くの会員の方にご回答をいただくことができました。今回いただいた回答をもとに、科学的に信頼できる情報や自粛生活が続く中でも役立つ運動の情報の提供などを引き続き行って行きたいと考えております。

 これまでに配信した、「新型コロナウイルスのPCR検査・抗体検査・抗原検査、有効性と限界は?【医師によるコラム】」「細切れでもいい?強度が高いほど痩せる?有酸素運動の〇と×」などのMYCODEトピックス記事もぜひチェックしてみてください!

 MYCODEでは、今後も様々なアンケートや意識調査を行い、サービスの向上、また社会への発信につなげていきたいと考えております。アンケートの依頼はMYCODEからのメールマガジンで行っておりますので、ぜひご参加をお願いいたします。