- 歯周病
- 動脈硬化
歯やお口の健康を大切に!歯周病で血管の病気リスクが増大!?
歯の病気は、生活の質への影響だけでなく、時には体の病気に関連することが報告されています。歯周病と動脈硬化の関係について、中国の研究グループが調査しました。
比較的太い動脈で起こる動脈硬化とは
本研究で調べられたのは、動脈硬化の1種のアテローム性動脈硬化症。アテローム性動脈硬化症は、比較的太い動脈の内膜に「アテローム」と呼ばれるドロドロした粥状(じゅくじょう)の脂肪性物質がたまって、動脈硬化が引き起こされ、血流が減少したり止まってしまったりする病気です。
歯周病の症状と動脈硬化の指標を調べた
研究グループは、平均年齢70歳で歯が10本以上残っている847人を対象にして、歯周病と動脈硬化の関係について調査しました。動脈硬化の指標として、首のエコー検査による「内中膜複合体肥厚度(IMT)」と「プラーク(限局性の血管壁の肥厚)」のあるなしが用いられました。
その結果、口の衛生状態が悪いほど、IMTの厚みやプラークが増えていることがわかりました(※)。
また、血糖値の高い人では、歯周病の進行を表す「歯と歯ぐきの間の溝の深さ」が1mm深くなると、IMTが0.018mm厚くなり、プラークができるリスクが約18%高くなることもわかりました。
以上のように、口の中の衛生状態が悪くなると、動脈硬化のリスクが高くなることが示されました。歯周病にならないためには、やはり歯磨きが大切ですが、歯磨きをしっかりしていても歯に歯垢がついてしまうことがあるので、年に2,3回は歯医者さんにチェックしてもらうのが理想的です。
監修者
医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。