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『全身の健康は歯の健康から』
歯が抜けることと動脈硬化の意外な関係
お口の健康は全身の健康と言われています。歯周病とメタボリックシンドロームの関係などは以前から指摘されていましたが、今回新たに「歯が抜けること」と「動脈硬化」の関係についての研究報告があったので、ご紹介です。

口の健康は体の健康と密接に関わっています。毎日の歯磨きを大事にしましょう!
お口の状態は健康のバロメーター
『全身の健康は歯の健康から』という標語を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?食べ物を摂取し、外から入ってくるものにまず最初に触れる場所でもある、お口の状態が乱れていると、食生活や免疫にも影響が出て、結果的に全身が不調になってしまう、というお話です。
今回、そんな口の健康と体の健康の関係について、口の病気で歯を失ったことと、アテローム性動脈硬化症という動脈硬化の間に関連があると、京都大学の研究グループがジャーナル・オブ・デンタル・リサーチ誌で2014年11月に報告していますので、ご紹介いたします。
歯が抜けると血管が硬くなる!
研究グループは30歳~75歳の日本人8124人について、歯並び矯正や外傷ではなく、口の病気による歯の抜け落ちと動脈硬化との間に関係があるかどうかを調べました。動脈硬化の指標には、腕と足首の脈から動脈硬化を簡単に計測する『心臓足首血管指数』という診断法で調べています。
年齢、性別、BMI、喫煙、薬の服用歴などによる影響を調整し、統計学的に緻密な手法を用いて解析したところ、歯周病等により歯を失っている人は、特に男性において、動脈が硬くなっている傾向にあることがわかりました。
やっぱり口の不健康は万病のもと?
動脈硬化が進むと脳梗塞や心筋梗塞などにつながる事が知られており、今回の研究で口の健康状態がこれらのリスクにも関わっているかもしれない、という事が示唆されました。また、口の病気である歯周病とメタボリックシンドロームの関係について言及している研究もあり、まさに口の不健康は万病のもとといえるのかもしれません。
『全身の健康は歯の健康から』ということで、歯医者さんで虫歯や歯周病等を定期的にチェックしてもらうのがいいかもしれませんね。
参考文献
Asai K et al. Tooth Loss and Atherosclerosis: The Nagahama Study.
J Dent Res. 2014 Nov 18. pii: 0022034514559127.