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病気・医療

治療後も不安ながん、ヨガや瞑想で得られる意外な効果とは

公開日:2015年3月21日
更新日:2022年2月19日

がん治療後の悩みやつらさ、どのような方法で軽減できる?(写真:Shutterstock.com)

がんは克服したけれど・・・恐怖によるストレスの後遺症

 がんは今や、早期発見で多くの人が克服できる病気となりました。しかし、がんの治療が終わった後も、「いつかがんが再発してしまうのでは?」「自分の体の中にまだがん細胞が残っていたらどうしよう」といったような、恐怖によるストレスの後遺症に悩まされることがあるのです。

ストレス軽減のための3つの方法を比較

 カナダの研究グループは、乳がんを克服した後にも悩みやつらさを抱えている人に対する、ヨガや瞑想のストレス軽減効果について報告しました。

 研究グループは、進行ステージ1から3までの乳がんの治療を完了し3カ月以上経った88人の女性をランダムに3つのグループに分けました。そして、1つ目のグループは、瞑想とヨガでストレスを軽くする方法(MBCR)を受けてもらい、2つ目のグループは、感情表現を引き出したりグループで気持ちを支えたりする「支持的感情表出的グループ療法(SET)」を受けてもらいました。そして3つ目のグループは、ストレスの自己管理に関する講義を受けてもらいました。

 その結果、どのグループでもある程度がんへの不安やストレスの軽減がみられましたが、MBCRあるいはSETを受けてもらったグループでは、ストレスの軽減が細胞の状態としても現れていることが判明しました。

細胞の命の回数券「テロメア」の長さが保たれた!

 細胞が分裂すると、DNAの端の部分「テロメア」が1回ごとに短くなっていくことをご存知でしょうか?テロメアは分裂ごとにどんどん短くなり、ある程度の短さになると、その細胞は、もう増えることがありません。その様子から、テロメアは「命の回数券」や「分裂時計」などといわれたりもします。そしてテロメアは、がんやストレスにより、早く短くなってしまうことが知られています。

 今回、研究グループが、3つのグループの人の血液から取り出したDNAを調べたところ、講義を受けただけのグループと比較して、「MBCR」または「SET」を受けたグループではテロメアの長さが保たれていることがわかりました(※)。

 この現象のしくみの詳細は、まだわかっていませんが、細胞にも良い影響を与えているのはすごいですね。

 ヨガは、肥満防止や禁煙など様々な健康への効果が報告されていますが、今後、がん治療後のストレスの対処方法としてもヨガが取り入れられるようになったりするかもしれませんね。


監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

Carlson LE, Mindfulness-based cancer recovery and supportive-expressive therapy maintain telomere length relative to controls in distressed breast cancer survivors., Cancer.


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