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え、ホント!?化粧品に含まれるアノ成分ががんのリスクを上げる!?
抗菌作用のある日用品に含まれる「トリクロサン」
私たちは日頃、せっけん、シャンプー、歯磨き粉から、化粧品、消臭剤、うがい薬、寝具、衣類、カーペット、おもちゃ、ゴミ袋に至るまで、さまざまな「抗菌作用」をうたっている日用品に取り囲まれています。これらの製品の中には、成分表示に「トリクロサン」と書かれているものがあります。
トリクロサンとがんリスクの研究
トリクロサンは、日本では厚生労働省が使用を認めている抗菌物質です。しかしこれが肝臓がんのリスクを高めるらしいということを、2014年米カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究グループが発表しました。
研究グループは、マウスに6カ月間トリクロサンを与えた後、発がん性物質を与えました。するとこのマウスはトリクロサンを口にしなかったマウスに比べ、肝細胞がんになりやすく、がんの進行も早かったとのことです(※)。
でも神経質になりすぎないで
トリクロサンはこれまでにも、筋力を低下させたり、水と一緒に流れ出て環境ホルモンとなり魚介類へ影響を及ぼすなどで、問題視されてきました。
とはいえ、売られている抗菌グッズは、健康のために必要最小限のトリクロサンが含まれているものがほとんどです。こわいから今すぐ使うのをやめる!という必要はありません。
ちなみに、例えば普通のせっけんでも、時間をかけて洗えば抗菌せっけんと同じくらいきちんと除菌できることがわかっています。「抗菌」にそんなにこだわる必要もないのかもしれませんね。
監修者
医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。