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眠い目をこすりながら今日もご出勤?睡眠不足でアルツハイマーが引き起こされる可能性
やらなければならない事がたくさんあって毎日忙しい現代人、いつも睡眠不足になっていませんか?しかし、その生活が将来の健康リスクを高めてしまっているかもしれません。
睡眠の状態とアルツハイマー発症の関係
2014年、米国の研究グループは睡眠とアルツハイマー病の関係について報告しました。
アルツハイマー病発症の詳細なメカニズムはまだわかっていませんが、発症する人は長い期間をかけてアミロイド・ベータと呼ばれる物質が脳にたまっていくことがわかっています。
病気になると、認知機能の低下に加えて、睡眠や覚醒のサイクルが混乱してしまうそうです。寝不足や不眠状態はアルツハイマー病の前兆の一つだという報告もありますが、睡眠の状態がアミロイド・ベータのたまり方にどう影響するのかはよくわかっていませんでした。
睡眠を阻害すると、アルツハイマーが引き起こされる?
研究グループは、マウスを使って「オレキシン」という脳の中で分泌される物質を調整し、睡眠状態を変化させました。オレキシンは睡眠と覚醒に大きく関与していることが知られています。
人為的にオレキシンが脳内で出なくなるようにした実験マウスはよく眠り、その結果脳の中のアミロイド・ベータのたまる量が激減しました。しかし、このマウスを強制的に、ずっと起きたまま睡眠不足にさせることで、脳内のアミロイド・ベータ量は増大することがわかりました(※)。
私たちもよく眠ることで、アルツハイマー病を遠ざけることができるかもしれません。毎日忙しい方は、睡眠不足には注意してくださいね。
監修者
医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。