- 心筋梗塞
- 2型糖尿病
- 脳梗塞

「ごはんおかわり!」は健康のためにガマンすべき?それとも気にしなくて大丈夫?

ごはんは健康に悪い?
ごはん、おいしいですよね。ほかほかごはんにお味噌汁、生卵、納豆、焼き鮭、のり、ふりかけ・・・想像しただけでも、何杯でも行けちゃいそうですよね!
しかし最近、「糖質制限」のためにごはんを減らした方が健康に良いでしょうという話を、テレビや本で時々耳にします。
確かに、ごはんを食べ過ぎると糖尿病のリスクが上がります。さらに糖尿病になると、その後、心臓や血管の病気が待ち構えていると言われています。ということは、たくさんごはんを食べている人は心臓病になりやすいのでしょうか。
ごはんと心臓病の関連を調査
大阪の国立循環器病研究センターを含む研究グループは、ごはんを食べる量と病気との関係を、20年近くに渡り追跡し、検証した結果を報告しました。
40~69歳の約9万人の日本人について調査したところ、この中の4000人以上が脳卒中になり、1000人ほどが心臓に血が正しく流れなくなる虚血性心疾患になりました。そしてこれらの病気で亡くなった人は3000人弱でした。
「ごはんおかわり!」は心臓病と脳卒中のリスクと関連しない
研究グループは、追跡したデータから脳卒中や心臓病で亡くなった人を、ごはんを食べた量でグループ分けし、これらの病気とごはんを食べる量との関係を検証しました。結果、調査した病気とごはんを食べる量との間に関連はないという結果になったのです(※)。
「ごはんをたくさん食べると糖尿病を増やすことになる一方、ごはんには食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養素も含まれており、それが心臓病や脳卒中を防ぐ効果があったのではないか」と研究グループは考えています。
結局ごはんのおかわりは健康のためにガマンすべきかどうなのか?
答えは、糖尿病のリスクを減らすためにはガマンした方が無難、ただし、心臓病や脳卒中を気にする人は、心配し過ぎなくても大丈夫、といったところでしょうか。
ちなみに、ごはん抜きダイエットは、脂肪を体に蓄えやすくなったり便秘になったりという話もあるので注意が必要です。いろいろな品目を適量食べるのが一番健康に過ごせるのかも知れませんね。
監修者
医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。