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新石器時代、人類とともに旅をしたイヌがいた!? DNA研究で明らかに

公開日:2019年2月27日

犬は好きですか?人と犬は昔から家族同然だったようです。(写真:Shutterstock.com)

ペットは大事な家族

 あなたはイヌ派ですか?ネコ派ですか?ペットを飼えばそれが何であれ、家族同然になりますよね。
 
 最近はネコブームと言われており、ネコが人気ですが、実は飼われている数は横ばいです。以前はイヌを飼っている人の方が多かったのですが、イヌの飼育数は減少しており、ネコとイヌの飼育数は2016年にはほぼ同数になっています。イヌの飼育数の減少は新たに飼う人が減ったことに加え、飼われていたイヌが寿命を迎え、個体数が減っているということも要因としてあげられるようです。イヌやネコの寿命は長寿化しており、イヌにおいては5年ほど延びているようで、これは家の中で飼う人が増えたことが要因ではないかと考えられます(※1)。
 
 ペットを家族であると考える人は多く、最近のペットビジネスではそれに応える動きが強まっています。ペットと一緒に入れるレストランやホテルなどが増えていますよね。ペット用の医療保険や介護施設などもあり、ペットを取り巻く環境は変化しています。

およそ9000年前に人類と一緒にイヌも移動した?!

 イヌの起源はオオカミだといわれています。オオカミがいつ、どのようにして人に慣れていったのかは諸説ありますが、フランス国立科学研究センターをはじめとする研究グループによると、およそ9000年前、現在のイスラエルやシリアがある中東で農業を確立した人類は、小麦や豆などの穀物とウシやヒツジなどの家畜と共に、イヌも一緒にヨーロッパに移住したことを明らかにしました。
  
 イヌはオオカミが狩猟採取を行っていた人類に飼いならされることで変化してきたともいわれており、遠く離れたヨーロッパと中東で、異なるオオカミのグループからイヌは家畜化されました。研究グループはイヌ科の骨などから採取したDNAを解析し、もともとヨーロッパでヒトと生活していた別のグループのイヌと、中東から人類と共に移動してきたイヌがおよそ9000~6000年前に出会い、混ざり合ったということを明らかにしました(※2)。9000年以上も前から、イヌは人類と生活を共にし、ヨーロッパまで一緒に移動してきた可能性が示唆されたのです。イヌとヒトは当時から深いつながりがあったのですね。

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監修者
認定遺伝カウンセラー 藤田和博先生
プロフィール:昭和大学藤が丘病院での先天異常、血液腫瘍の遺伝子・染色体検査の経験を生かし、現在は大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科教授として臨床検査学教育と研究に従事。
参考文献
※1. 社団法人ペットフード協会, 平成29年全国犬猫飼育実態調査
※2. Ollivier M, Dogs accompanied humans during the Neolithic expansion into Europe., Biol Lett.