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遺伝子

孫悟空ゲノムを解読!
孫悟空のモデルとなった“幻のサル”の独自の進化

2014年12月11日 15時00分

美しい金色の猿、キンシコウ (写真:Jack Hynes/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 2.0 一般)


孫悟空のモデルになった金色のサル

 「キンシコウ」と呼ばれるサルを知っていますか?キンシコウは、ゴールデンモンキーとも呼ばれ、金色の毛を持つ美しいサルで、「西遊記」の孫悟空のモデルになったとも言われています。
 美しく暖かい毛皮を狙った乱獲や、森林が減って住む場所が少なくなっていることから数が減り、絶滅が危惧される“幻のサル”となっています。

孫悟空は他の猿より食いしん坊?秘密は牛のような胃袋

 “孫悟空”キンシコウは、その見た目の美しさとは別に、他の猿と大きく異なる特徴を持っています。他の多くの猿が果物や昆虫を中心に食べているのに対し、キンシコウは他の猿が食べないような、葉や種子といったより堅いものも食べることが知られています。

 このような独特の食生活を営んでいる秘密は、植物から栄養を効率的に吸収できるように、まるでウシの胃袋のような構造と機能を持ったキンシコウの胃袋にあると考えられています。しかし、この一風変わった消化システムを何故キンシコウが持っているのかは、これまで謎に包まれていました。

不思議な胃袋の秘密を、遺伝子解析が解明

 そんな中、2014年11月、中国の研究グループは、キンシコウの全遺伝情報を解読し、イギリスの遺伝学雑誌ネイチャー・ジェネティクスに発表しました。

 興味深いことに、キンシコウの遺伝情報を人も含めた他の霊長類(サル)やウシの遺伝情報と比較したところ、キンシコウではある特徴があることがわかりました。胃で働く酵素などの遺伝子が、キンシコウでは特殊な進化を果たしていたのです。

 キンシコウは他の猿の主食である果物などが豊富とはいえない標高の高い山林で生き延びていくために、その土地にあった食べ物をしっかりと消化する事ができるよう、独自の消化システムを進化させていたのです。食生活にあわせた進化の好例といえるでしょう。

 孫悟空として語られた金色の美しいサルは、厳しい自然の中で生き延びるため、独自の進化を遂げていたのです。


参考文献

Zhou X et al. Whole-genome sequencing of the snub-nosed monkey provides insights into folivory and evolutionary history.
Nat Genet. 2014 Dec;46(12):1303-10. doi: 10.1038/ng.3137.

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