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今更もうやめられない!
人間は1000万年前からお酒を飲んでいた?

2015年01月15日 08時30分

Glass of wine bart+everson

写真はイメージです。記事と直接の関係はありません。(写真 Bart Everson/クリエイティブ・コモンズ 表示 2.0 一般)

お酒を飲めるようになったのは、人類が猿だったころから!

 お酒が大好き!という人、皆さんの中にもたくさんいるのではないでしょうか?では、我々人類がお酒を好きになり、飲み始めたのは一体いつからなのでしょうか?

 これまで、人間がお酒の成分であるアルコールを飲み始めたのは、はじめてお酒を作る方法が考え出された5千年ほど前からだろうと思われていました。
 ところが最近、さらにさらにもーっと昔、1千万年前からすでにお酒を味わうことができたのではないか、ということがわかってきたのです。その頃はちょうど、木の上で生活をしていた我々の祖先が木から降りて地上で暮らし始めた頃だということです。

アルコール分解酵素の遺伝子を解析

 はるか昔、人類の祖先はお酒に含まれるアルコールを分解できず、お酒を飲むと苦かったり、気持ち悪くなったりして嫌な気分になってたと考えられます。お酒を飲んだときに、楽しい気分で飲むためには、アルコールを分解してくれる“酵素”を作る遺伝子(アルコール分解酵素遺伝子)をもつことが必要なのです。

 研究チームは人間と、その祖先を同じとする霊長類の遺伝子を比較調査することで、我々の祖先がいつこのアルコール分解酵素遺伝子を獲得し、お酒を飲む事ができるようになったのか、明らかにしようと考えました。

 いくつか存在するアルコール分解酵素遺伝子のうち、もっとも起源が古いと考えられるADH4という遺伝子について調査した結果、1000万年前に人間と分かれて別々に進化したと考えられるゴリラやチンパンジーに、なんと同じような遺伝子の特徴が確認できたのです。つまり、我々の祖先がまだゴリラやチンパンジーと同じ共通祖先であった時代にこの遺伝子が生まれていたという事になるのです。我々人間の祖先ははるか昔、猿のような樹上生活をやめ、地上に降りてきたころからお酒をたしなむことができたということです。なんと古い歴史なのでしょう!! 

Ancestry

(写真 Catalaalatac)我々の祖先がこのような姿であった時から、お酒・アルコールとの付き合いが始まったようです。(ヒト、ゴリラ、チンパンジーの共通祖先と言われているピエロラピテクスの復元)

最初は木の下に落ちている熟した果物を分解するため

 生物は変化する食生活に適応し、多くの消化能力を身につけて進化してきたと考えられています。我々の祖先は、木から降りて地上で生活をし始めた頃から、木の上で採っていたよりもさらに熟した果物(天然のアルコールが豊富に含まれている!)を食べるようになり、そのためにだんだんアルコールをおいしく味わうことができる能力が得られていったのだろうと研究チームは考えているのです。

 現代人は砂糖を多く摂取するようになったことで糖尿病、肥満をはじめとする多くの疾患にかかりますが、これは近年、我々の食生活が急激に変化し、体がまだ多くの砂糖を含む食生活に合わせて進化していないからだ、とも考えられるのです。
進化という長いモノサシで考えれば、病気になることも別の視点で見つめることができるのですね。

 遺伝子検査MYCODEでは、遥か昔から受け継がれるアルコールを分解できるタイプの遺伝子を持っているかどうか、あなたについて調べることができます。
 自分の遺伝子を調べ、遥かな人類の歴史に思いを馳せるのも、面白いかもしれませんね。


参考文献

Carrigan MA et al. Hominids adapted to metabolize ethanol long before human-directed fermentation.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2014 Dec 1. pii: 201404167.

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