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寒い冬のあったか睡眠テクニック~環境づくり編~

公開日:2020年2月6日

寒い夜でもぐっすり眠れるようにするには?(写真:Shutterstock.com)

 あたたかな寝具にくるまれて、うとうとと気持ちのよい眠りにつく1日の終わり。外気の冷たさが堪える時期ほど、至福に感じる贅沢時間ではないでしょうか。

 一方で、手足の冷えから寝つきの悪さや眠りの浅さなど睡眠に悩む方も多いようです。

 この記事では、睡眠のメカニズムを活用した冷えに負けない快眠テクニックをティップス形式でご紹介します。幸せな睡眠時間はちょっとした工夫で作ることができるんです。気軽にできることばかりなので、ぜひ取り入れてみてください。

<入浴後の寝支度編>

履くなら靴下よりもレッグウォーマーが正解◎

 「足先が冷えやすい冬は夜も靴下が欠かせない」という人もいると思いますが、履いたまま眠りにつくのはおすすめできません。

 人の中心部の体温(深部体温)には1日を通したリズムがあり、夜は日中の活動で上昇した熱を下げるために抹消血管を拡張して皮膚から放出しています。この「深部体温の下降」がスムーズ且つ深い眠りにとって重要な条件の一つなので、靴下を履いたままだと熱の発散を妨げてしまうのです。

 睡眠中も履くのであれば、つま先が開いているレッグウォーマーの方が適しています。

首を温めて自律神経をリラックスモードにシフトチェンジ

 自律神経には交感神経と副交感神経があります。昼間は交感神経が、眠るときには副交感神経が優位になるため、よい眠りには副交感神経にスムーズに切り替わることがとても重要。

 美容室やエステなどでホットタオルを首に当てられて、肩の力がほぐれるような心地よさを感じた経験ありませんか。その理由は、自律神経が集中している首を温めることで、リラックスしたときの副交感神経が優位になりやすくなるからなんです。

 ただ、気持ちよいからと長時間温め続けてしまうのは要注意!深い眠りに必要な深部体温の下降を妨げてしまうため、温める際はホットタオルの他、湯たんぽやホットパックなど自然と冷めるものを使うのがオススメです。

ホットタオルの作り方

1:タオルを水で濡らしたら、固く絞る。

2:500Wのレンジで1分程度温める(冷たかったら、10秒ずつ追加して温度を調整する)。

厚手のタオルを使ったり、アロマオイルを垂らしたりするとよりリラックス効果が高まりそうですね♪

※あまり熱すぎると火傷の危険性があります。肩などに当てる前にしっかりと温度を確かめましょう。

<寝室の準備~入眠編>

寝室は16〜22度に温めておく

 暖かいリビングから寝室へ入った瞬間に、ひやっとした空気で頭と体が冴えて眠気が飛んでしまったという経験はありませんか。これは、冷感刺激で活動時に優位に働く交感神経が刺激されてしまうためです。防ぐためには、寝る直前に寝室を少し温めておくことをおすすめします。

 暖房の設定目安は16~22度と言われていますので、参考にしてみてください。ただ、暖房をつけたまま眠ってしまうと空気が乾燥しすぎてしまうので、布団に入ったらスイッチを切ることも忘れずに。

布団の中の温めグッズは、徐々に温度が下がるものに

 室温とあわせて、布団の中を湯たんぽやふとん乾燥機で温めておくのも至福の睡眠タイムのためのテクニックのひとつ。

 ただし、電気毛布や電気アンカは、深い眠りに必要な深部体温の下降を妨げてしまったり、乾燥の原因にもなったりします。就寝前の寝具を温めるためだけに利用し、就寝時にはスイッチを切るという使い方が快眠の大切なポイントになります。

横になったら「手足グーパー」で深い眠りへの総仕上げ

 最後に横になってから簡単にできる、快眠のためのリラックス法をご紹介します。仰向けになって全身の力を抜いた状態で、手足一緒に数秒間ずつ「グー」と「パー」を順に5回程度繰り返すだけです。

 簡単ですが、手足への血の巡りを良くすることで体内の熱が放出されやすくなり、眠りにつきやすい状態を作ることができます。

入念な準備が寒い冬に快眠をもたらす

 寒い季節でも幸せな睡眠時間はちょっとした工夫や注意で作ることができるので、取り入れやすいことから試してみてください。冬場もぐっすり気持ちの良い眠りで心身共に元気な毎日を過ごしたいですね♪

著者
植田くるみ
プロフィール:アクティブスリープ指導士ベーシック。睡眠に興味を持ち、企業に勤めながら研究を続ける専門家。睡眠効率の向上から、毎日のパフォーマンスをアップすることを目指すアクティブスリープを実践するだけでなく、普及にも務める。企業向けに提案した快眠法のティップスには定評がある。

監修者
医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。

記事提供元
MYCODEの運営会社・株式会社DeNAライフサイエンスのグループ会社であるDeSCヘルスケア株式会社が提供する、ヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」掲載記事より「寒い冬のあったか睡眠テクニック~環境づくり編~」を一部改編。
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