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頭が良くなるだけじゃない!?魚を食べて親子でメタボを予防しよう

増加する子供の肥満とメタボ
近年、子どもの肥満は増加し続けており、大きな問題になっています。子供の肥満も大人と同じように糖尿病や高血圧、脂質異常症などのメタボリックシンドロームの危険性が高まってしまうこともあるのです。
米国の研究グループは、DHAやEPAなどの魚の油には大人だけでなく子供の中性脂肪を下げる効果があることを報告しました。
魚の油に中性脂肪を下げる効果
魚の油に多く含まれているといわれるDHA、EPA。これらの名前を聞いたことのある人は多いのではないでしょうか?DHAは脳のなかに取り込まれ、子供の脳の発達や精神活動に関与しているといわれています。EPAは脳には取り込まれませんが、血をサラサラにする効果があることがわかっています。
研究グループは、心臓や血管の疾患に影響する因子に対して、どの程度DHAやEPAが効くのかを判定するため、12歳から16歳の、悪玉コレステロールはそれほど高くないが中性脂肪が高い参加者42人を対象として、魚の油を1日4g飲んでもらうグループと、何も効果がない偽の薬を飲んでもらうグループに分けて8週間後に血液の値を調べました。その後、4週間休みを入れ、同じ人たちに魚の油と偽の薬の飲む方を逆にして8週間後に同じ調査をしました。
結果、偽の薬と比較して、悪玉コレステロールにはそれほど効果がみられなかったものの、中性脂肪を低下させる傾向がみられ、さらに血栓が起こりにくくなることがわかりました。血栓とは、以前「血栓予防の日を知っていますか?実はとても身近なあの病気、みんなで防ごう」の記事でも紹介したように、血液の中にできる血の塊で、脂質異常症になると現れやすくなります。
家族で魚を食べよう!
EPAは本マグロ、マイワシ、サバ、DHAはサバ、本マグロ、ブリ、サバ、サンマなど、どちらも青魚に多く含まれているそうです。DHA、EPAだけでなく、魚の栄養は子供の成長にとても良いといわれています。早速、今日の晩御飯はお魚にしてみてはいかがでしょうか?
監修者
医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。