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【管理栄養士コラム】なぜ野菜を食べなくてはいけないの?足りない野菜でもっと健康に!
野菜は体にいいとわかっていても、不足しがちに。私たちの1日あたりの野菜摂取量は推奨摂取量(350g)より100g程不足しているようです。本記事では野菜の必要性や食べるときの目安などをお伝えします。
健康のためにはどのくらいの野菜を食べれば良いのでしょうか。(写真:Shutterstock.com)
日本人は野菜が不足傾向にある
8月31日は野菜の日です。
「もっと野菜をたべよう!」とよく耳にすることも多いかと思います。野菜は「体に良い、健康に良い。」とわかっていても、実際は野菜の目標量を達成するには改めて意識をしないと難しいようです。
今回はなぜ野菜が必要なのか、どのように意識すれば良いのかをお伝えしたいと思います。
野菜の目標量は、なぜ350g?
1日あたりの野菜平均摂取量は350g以上と推奨されています。
厚生労働省では栄養・食生活との関連が深いとされる疾病として、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、虚血性心疾患、脳卒中、一部のがん(大腸がん、乳がん、胃がん)などを挙げています。
これらの疾病と関連があり野菜に多く含まれる栄養素として、カリウム、食物繊維、抗酸化ビタミンが代表的ですが、これらの栄養素を摂取するには、野菜350〜400gの摂取が必要と推定され、350g以上という基準が定められました。また350gのうち、1/3は緑黄色野菜であると、栄養バランスがより整います。
日本人の野菜摂取の現状
厚生労働省が実施した「平成25年国民健康・栄養調査」をみてみると、年代にもよりますが、約100g程度不足していることがわかります(※1)。
不足しがちな100gをとる魅力
野菜は低脂肪、低エネルギーでありながら「かさ」が多いことから、満腹感を与えてくれます。そのため、100gの野菜を加えることで、ごはんやおかずなどの食べすぎを防いでくれます。つまり、野菜を食べるということは、食生活全般を見直すことにつながります。
また、野菜の摂取量を増やすことで、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病のほか、さまざまな疾患の予防につながるといわれています。一部のがんについても生活習慣との関わりが深いことがわかってきていますが、今よりも野菜の摂取量を100g増やすことで、発症リスクの減少が見られるという報告があります(※2)。
100gの野菜ってどれぐらい?
100gの野菜は、生野菜なら両手1杯、加熱した野菜なら片手1杯が目安です。「生の野菜は苦手」という方は、キャベツなど葉物を食べるとき熱を加える(ゆでる、電子レンジにかけるなど)と、かさが小さくなって食べやすくなります。
写真左から、生野菜と温野菜
ミニトマト中3個で約50g、みそ汁に野菜をいれることで約30g、ほうれん草おひたしやきんぴらごぼうなどの小鉢で約50~70gがとれます。
いつもの食事にもう1品の野菜料理で、1日350gを目指しましょう!
参考文献
※1. 厚生労働省, 平成25年国民健康・栄養調査
※2. Riboli E, Epidemiologic evidence of the protective effect of fruit and vegetables on cancer risk., Am J Clin Nutr.
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