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青魚などに含まれる多価不飽和脂肪酸は、骨粗しょう症の骨折のリスクを下げる!?

公開日:2015年6月1日
更新日:2018年6月18日

 お刺身、お寿司、焼き魚、煮魚など美味しいですよね。アメリカの研究グループは、青魚などに含まれる多価不飽和脂肪酸や魚の油と骨粗しょう症による骨折に関連があることが報告しました。


写真はイメージです。記事と直接の関係はありません。(写真:Junkiefu/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 非移植)

 昔からお寿司、焼き魚、煮魚などにして日本人が食べてきたお魚。お魚を食べることは健康にとってもよく、MYCODEトピックスでもメタボ予防急性すい炎大腸がんにもよい効果をもたらしてくれることを紹介しました。
 魚の油や青魚に含まれる多価不飽和脂肪酸は、骨粗しょう症の骨折リスクに影響を及ぼしていることが明らかにされました。

骨粗しょう症とは

 骨粗しょう症は、骨の中がスカスカの状態になり、骨がもろくなる病気です。日本では、骨粗しょう症の人は1200万人を超えるといわれており、このうち女性が80%を占めています。年をとった人に多く、60歳代の女性の2人に1人、70歳以上になると10人に7人がなるといわれています。

 骨粗しょう症になると上腕骨、椎骨、大腿骨(太ももの付け根の骨)の骨が折れやすくなるといわれており、特に太ももの付け根の骨を折ってしまうとそのまま寝たきりの状態になりやすいので、注意が必要です。

脂肪酸と魚の油の効果を調べてみると

 アメリカの国立老化研究所を含む研究グループは、血液中の脂肪酸量・魚の油の摂取頻度と骨粗しょう症による骨折のリスクとの関連を調べました。

 66歳~96歳の男女、約1500人を対象として、5年~9年間にわたる追跡調査を行いました。血液中の脂肪酸の測定値を高・中・下の3区分、アンケート調査による魚の油をとる頻度を毎日、毎日より少ない、摂らないの3区分にわけて調べました。

多価不飽和脂肪酸はリスクを下げる

 脂肪酸と骨折の関連を調べた結果、男性では、多価不飽和脂肪酸、オメガ-3脂肪酸、エイコサペンタエン酸の測定値が最も高かったグループの人で骨折のリスクが約35~40%低いことがわかりました。

 一方、多価不飽和脂肪酸の測定値が最も高かった女性のグループでは、骨折のリスクが低い傾向が見られたものの統計的には有意ではありませんでした。

魚を食べる頻度と食べた時期が重要だった

 魚の油をとる頻度と骨折のリスクとの関連を調べた結果、年をとってから(66~96歳)毎日魚の油をとっていた男性は骨折のリスクが約40%低いことがわかりました。

 一方、女性では中年のとき(40~50歳)に毎日魚の油をとっていた人の骨折のリスクが25%低くなっていました。
 
 今回の研究で、特に男性では、多価不飽和脂肪酸の値が高いと、年をとったときの骨粗しょう症による骨折のリスクを下げられる可能性があることがわかりました。一般的に多価不飽和脂肪酸は青魚や豆類に多く含まれています。特に女性は男性より若い年齢から意識して食べたいですね。


参考文献

Harris TB et al. Plasma phospholipid fatty acids and fish-oil consumption in relation to osteoporotic fracture risk in older adults: the Age, Gene/Environment Susceptibility Study.
Am J Clin Nutr. 2015 May;101(5):947-55. doi: 10.3945/ajcn.114.087502. Epub 2015 Mar 18.

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