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体質・身体

なぜ海苔を消化できるのは日本人だけなの?その答えはお腹の中にあった!

2015年03月17日 09時00分

 海苔(のり)、好きですか?巻き寿司、おにぎり、海苔巻きあられ、ラーメンにも海苔が・・・確かに私たちはよく海苔を食べてますね!フランスの研究グループは、日本人のお腹の中に海苔を消化するための特別な遺伝子をもった菌がいることを見つけたのです!


海苔を消化するための酵素には秘密があった!?(写真:Shutterstock.com)

海苔を分解するための酵素が発見された

 人間は、栄養分を吸収するために、食べた物を酵素により分解・消化する必要があります。2010年、フランスの研究グループは海苔(のり)の成分であるポルフィランを分解する新しい酵素を、海に住む細菌から発見しました。この酵素は寒天を分解する酵素と似ていましたが、寒天は分解できず海苔のポルフィランだけを分解するためだけに発達した特別な酵素であることが分かりました。

 彼らがその酵素を作り出す遺伝子をもつ生物が他にもいないか探してみたところ、海に住む細菌だけでなく、なんと人のお腹から採取した腸内細菌の遺伝情報の中に、その遺伝子が存在していることがわかったのです(※)。

 しかも、その特別な腸内細菌は日本人の腸の中でのみ見つかったということです。彼らは比較のために北米人の腸内細菌を調べてみたのですが、発見されなかったそうです。

みんながお腹にもっている!腸内細菌のすごい働き

 「腸内細菌」とは?私たちみんなの腸の中に住んでいる細菌です。細菌なんて汚ない!と思われる方もいるかもしれませんが、腸内細菌は私たちが健康に生きていくためにとても大切です。

 腸内細菌は、私たち人間が上手に消化できない食べ物を消化し、作ることができないビタミンを作ったりしてくれるのです。それだけでなく、腸内細菌のおかげで病原菌と戦うための免疫が発達し、病気に強い体に貢献していると言われているのです。

 そんな、腸内細菌が私たち日本人に海苔を消化する力を与えてくれたことが、遺伝子の研究から明らかになったということなのです。

生の海苔を食べた結果すごいことに

 でもなぜ日本人の腸内に住む細菌が、海の生物の遺伝子を持つことができたのでしょうか?研究グループは、生の海苔を食べることによって、その海苔に付着した菌が体に入り、腸の中で遺伝子の受け渡しがあったのではないかと考えているようです。

 海に囲まれた土地で暮らし、昔から海藻を食べてきた日本人だから獲得できた機能なのかもしれません。海苔などの海藻をうまく消化して栄養分にすることができる腸内細菌。日本人にとって、このような細菌をお腹にもっていることは、生きていくために有利だったと考えられます。

 低カロリーで美容にも良いとされる海藻。これからも私たちの食生活に積極的に取り入れたいですね!

 今回のお話のような小さな生物も、遺伝子解析によって多くのことが分かるようになってきました。腸の中の細菌から日本人の特徴を知ることになるなんて、驚きですね。

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監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

Hehemann JH, Transfer of carbohydrate-active enzymes from marine bacteria to Japanese gut microbiota., Nature.


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