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糖尿病予防のためには不足しないように!?目に良いだけじゃないビタミンAとは

皮膚や目の機能を守るビタミンA
ビタミンAは脂溶性のビタミンに分類され、目や粘膜、皮膚にとって重要な役割をもっています。そのため不足すると皮膚や粘膜の乾燥、夜盲症、成長障害などの様々な病気が引き起こされることが知られています。
ビタミンAの不足で糖の代謝を助けるための細胞が壊れる
米国の研究グループによって報告されたところによれば、ビタミンAの不足によって、糖尿病が引き起こされる可能性があるそうです。
糖尿病では、血液中の糖分の代謝が何らかの原因でうまくいかず、血糖値が高くなってしまいます。その糖分の代謝には「インスリン」と呼ばれるホルモンがとても大切です。
研究グループはマウスを使って、餌をビタミンA不足にした場合すい臓にどのような反応が起こるかを調べました。すると、ビタミンA不足になったマウスでは、すい臓内でもビタミンA不足が引き起こされ、インスリンを作り出す「ベータ細胞」と呼ばれる細胞がどんどん壊れて減ってしまうことがわかりました。そのため、インスリンは低下し、血糖値が大きく上がってしまったのです(※)。
ビタミンAの不足は他の臓器にも起こっていたにも関わらず、すい臓のベータ細胞は他の臓器のあらゆる細胞よりビタミンA不足に敏感であることが明らかになりました。次に、餌の中に再度ビタミンAを混ぜてビタミンA不足を解消させたところ、ベータ細胞の減少は元に戻ったそうです。
緑黄色野菜がおすすめ
これまでビタミンAが糖尿病に関与しているという報告はほとんどなかったため、今後、糖尿病予防におけるビタミンAが注目されることになるかもしれません。
この研究はマウスでの結果ではありますが、やはりビタミンAは不足しないほうが良いようです。
ビタミンAは肉や魚にも多く含まれていますが、過剰に摂りすぎる心配があるので、ビタミンAを取るならにんじんなどの緑黄色野菜がおすすめです。野菜に含まれるカロテンは体内で必要量のみビタミンAへと変換されるので過剰症の心配がないそうです。
監修者
医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。