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大人気のエナジードリンクが、お酒の飲み過ぎや未成年飲酒につながる!?

公開日:2015年3月18日
更新日:2021年12月17日

リフレッシュのためのエナジードリンクと飲酒の意外な関係とは(写真:Shutterstock.com)

 世界中、そして日本でも若い世代を中心に人気のあるエナジードリンク。眠気を覚ましてリフレッシュできるともいわれています。しかし、健康面においてはこの飲み物に向けられる視線は厳しいようです。

エナジードリンクと飲酒との関連性

 エナジードリンクは、糖分やカフェインが高く、飲みすぎによる死亡事故も報告されるなど、子どもや若者の健康に悪影響があるとして、飲みすぎに対して多くの警告が出ています。2014年、米国の研究グループは、エナジードリンクと未成年や若い世代の飲酒の関係について報告しました。

 研究グループは、15歳から23歳の3342人を対象として調査を実施し、エナジードリンクと飲酒との関係性について検証しました。

過激な飲酒をしている傾向がある

 調査によれば、15歳から17歳の約1500人の、およそ7人に1人がエナジードリンクを飲んでおり、半数程度が、アルコールを飲んだ経験があると答えたそうです。その飲酒傾向についても詳しく調べたたところ、エナジードリンクを飲んでいる若者は、より過激な飲酒をしていることがわかってきました。大人でも危険だといわれる量や頻度の飲酒、危険とされるエナジードリンクとアルコールを混ぜた飲酒、一度に6種類以上のアルコールをちゃんぽんで飲んだことがある割合も多かったそうです(※)。

未成年飲酒の恐ろしさ

 エナジードリンクが未成年の飲酒を引き起こす直接の原因となっているのかについてはまだわかっていないようですが、どうやらエナジードリンクと飲酒傾向には関係がありそうです。

 未成年だって、少しくらいならお酒を飲んでも大丈夫じゃないの、と思っている人もいるかもしれません。実際、未成年は周囲の大人の寛容な態度で飲み始めることが多いようです。

 しかし、成長期の体は大人よりもアルコールから受ける影響が大きく、肝臓など内臓への障害、脳の成長を妨げる(学業成績が落ちる)、アルコール依存症になりやすくなる、性機能の発達を妨げるなどの害が短期間の飲酒でも引き起こされやすいといわれているのです。その後の人生に大きく影を落としてしまうことにもなりかねない未成年の飲酒。絶対にダメだという周囲の意識も必要ではないでしょうか。


監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

Emond JA, Energy drink consumption and the risk of alcohol use disorder among a national sample of adolescents and young adults., J Pediatr.


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