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寿命を延ばす鍵はテロメア長と炎症?100歳以上を対象にした研究で明らかに

2015年09月29日 11時00分

 日本人の平均寿命は延べている一方で、健康寿命は2001年から2010年の間延びていません。慶応義塾大学を含む研究グループは、100歳以上の人を対象に、長寿に関係があるとされる代謝や肝機能などのバイオマーカーを調査し、健康寿命を延ばす2つの要因を明らかにしました。


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研究から見えてきた、寿命を延ばす鍵とは?(写真:Shutterstock.com)

健康寿命と平均寿命の違いって?

 日常的に介護を必要としないで、自立した生活が出来る生存期間のことを健康寿命と呼びます。

 2001年から2010年で平均寿命は男性と女性でそれぞれ1.48年、1.37年延びていますが、その一方で健康寿命は1.02年、0.97年と平均寿命の約70%の延びとなっています(※1)。

 医療の発展により、平均寿命が延びたとしても、健康な期間だけではなく、不健康な期間も延びてしまうことが予想されます。今後平均寿命の延び以上に健康寿命を延ばすことが重要だと考えられているのです。

テロメアと寿命の関係

 「テロメア」とは、遺伝子などから構成される染色体の両端にある繰り返し配列のことをいいます。細胞が分裂するとテロメア配列が少しずつ失われるため、テロメアの長さは、細胞の寿命の目安となります。
 
 MYCODEトピックスでも「あなたは長い?短い?「細胞分裂の回数券」、テロメアの長さとは」という記事でご紹介したことがあります。

 今回、慶應義塾大学を含む研究チームでは、1,554名の高齢者(100歳以上・684名、100歳以上の高齢者の直系の家族・167組、85~99歳の高齢者・536名)を対象に、長寿に関係があるとされる造血能、代謝、肝機能、腎機能、テロメアの長さ、各領域のバイオマーカーを測定し、その傾向を調査しました。

研究から明らかになった、長生きの要因とは

 研究の結果、100歳以上の高齢者とその家族では「テロメアの長さ」と「炎症」という2つの要因が特徴があることがわかりました。 

 さらに、今回の研究で100歳以上の高齢者とその家族ではテロメアが長く保たれており、年齢と共に上昇する炎症マーカーも低く抑えられていることがわかりました。また、長寿者の中でも特に炎症の低いグループは認知機能も高く、自立した生活を長く維持できていることが明らかになったのです。

 「炎症」は、細胞内の老廃物の除去や外部からの刺激に応答する免疫反応のひとつです。しかし、ごく最近マウスによる研究で、炎症が老化を促進する要因の一つであることが明らかになっています(※3)。

 現在の抗炎症薬は、様々な副作用により長期間の服用は出来ません。しかし今回の結果を元に、より安全な代替薬が開発されれば、健康寿命を延ばすことも夢ではないかもしれません。

あなたの炎症反応の指標の遺伝的傾向を確認できます

 MYCODEでは、あなたの遺伝的な炎症反応の指標について調べることが出来ます。
会員の方はすぐに結果を見ることができます。


監修者
認定遺伝カウンセラー 藤田和博先生
プロフィール:昭和大学藤が丘病院での先天異常、血液腫瘍の遺伝子・染色体検査の経験を生かし、現在は大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科教授として臨床検査学教育と研究に従事。

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