- たばこ
- 膀胱がん
わかっちゃいるけどやめられない。喫煙者の意外な健康意識とは?
喫煙者は、たばこが体に悪いことを知っていても、吸ってしまうらしいということが、米国の研究グループによって明らかにされました。
膀胱がんと診断された人の調査
研究は、米国で2006年から2009年までに膀胱がんと診断された約800人を対象としておこなわれました。これまでの研究で、膀胱がんの最大の原因は喫煙であることが知られています。
今回の研究では、たばこを吸ったことがあるかどうか、なぜ膀胱がんになったと思うか、などのアンケート調査結果をまとめました。
理解していても行動に結びつかない
その結果、膀胱がんと診断された人のうち、約7割は「たばこを吸ったことがある」と答えていました。しかも、たばこを吸っていた人の、3人に1人以上が、がんが判明したその時点でも吸っていました(※)。
さらに驚くべきことは、たばこを吸っていたと答えた人は、吸わないと答えた人に比べて、「たばこを吸うと膀胱がんになる可能性がある」と知っている割合が多かったこともわかりました。自分のがんと喫煙の関連を理解している人は多いものの、実際の禁煙行動には結び付いていないことがわかります。
たばこを吸っている人も、決してたばこが体に良いとは思っていないようですね。
どうして吸い始めたのか?今なおどうして吸っているのか?たばこを吸う理由を一度考えてみてもいいかもしれません。
監修者
医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。
参考文献
※ Bassett JC, Knowledge of the harms of tobacco use among patients with bladder cancer., Cancer.