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食べ方次第で肥満体質に!?あなたのその食べ方、大丈夫?

腸内が肥満菌に支配されてしまう!?
「腸内細菌」や「腸内フローラ」といった言葉、聞いたことありますか?腸内にどのような細菌の集団がいるか、ということが肥満や糖尿病など様々な健康状態に関係すると考えられています。肥満の人の腸内には脂肪を溜め込みやすい、いわゆる「肥満菌」が多く存在するといわれており、腸内細菌の状態は一つの健康指標ともなりうるかもしれません。
2014年、米国の研究グループは、1日中高脂肪食を食べて続けていることで、腸内細菌が肥満につながるような、「肥満菌」に支配されかねないという報告をしました。
食べる内容と食べる時間を変えて比較
研究グループは、ネズミを3グループに分けて、エサの内容と食べる時間を変化させ、4時間ごとに腸内細菌を調べてその内訳を比較する、という研究を行いました。3グループのうち、1グループは通常のエサを通常のペースで食べさせ、ほかの2グループは脂肪の多いエサを食べさせました。
脂肪の多いエサを食べさせるグループのうち、1つのグループでは昼夜によらず1日中自由にエサを食べさせ、もう1グループではネズミが活動を行う夜だけ食べさせ、昼は制限するという変化を付けました。
脂肪の多い食事のダラダラ食べが 一番まずい!
その結果、エサの内容と取り方で腸内細菌の種類に大きな変化が出てくることが判明しました(※)。
通常のエサを食べたグループでは、複数の腸内細菌が混ざり合うように存在しており、肥満につながるタイプの細菌が支配的になることはありませんでした。
一方で、脂肪の多いエサを一日中、昼夜かまわず食べ続けたグループは、腸内細菌の種類が少なく、かつ肥満につながるタイプの細菌に支配されていることが明らかになりました。
しかし、同じく脂肪の多いエサを食べたグループでも、エサを食べない時間を作ったグループでは、通常のエサのグループほどではないものの、腸内細菌の種類は増えており、肥満につながる腸内細菌も少ないことがわかりました。
今回の結果を参考にすれば、肥満の予防には食事の内容だけでなく、だらだらと食べ続けないということも大切だということがいえるかもしれません。肥満が気になる人は、カロリー計算だけでなく、食事の時間にも気を配ってみてはいかがでしょうか?
監修者
医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。