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メタボにさよならできる、魔法のような料理とは?

魔法のような料理、それは「地中海料理」
皆さん、地中海式ダイエットって、聞いたことありますか?主に南イタリア沿岸やギリシャのクレタ島の伝統料理「地中海料理」を食べて健康を維持しましょうというダイエット法です。
地中海料理は、主食をしっかり取り、肉は少なめで、オリーブオイル、ナッツ、果物、野菜をふんだんに使うのが特徴です。
典型的な地中海式ダイエットでは、毎日の運動をベースに、下記のようなバランスで食べるのが良いとされています(※1)。
毎日食べる:
オリーブオイル、果物、豆、野菜、パン、パスタ、ごはん、全粒粉、芋類
週に3回以上食べる:
魚、豆類、ナッツ類
週に2回程度食べる:
鶏肉、卵、チーズ、ヨーグルト、デザート
月に一度食べる:
赤身肉
飲み物:
一日にお水コップ6杯、ワイン1、2杯
この食生活により、心臓病やがん、糖尿病、アルツハイマー病などのさまざまな病気リスクが減少するという研究報告もあり、注目を浴びています。
「自由に地中海料理を食べてみてください!」という研究
もしもカロリー制限無しに、自分で満足のいく量だけ毎日地中海料理を食べたら、内臓脂肪や糖尿病、高血圧といった、いわゆるメタボリックシンドロームの予防になるのでしょうか?気になるところですよね。スペインの研究グループは、この地中海料理の効果を調べ、報告しました。
この研究は、2003年10月から2010年12月までの約7年間にわたって行われました。約6000人の研究参加者を3つのグループにわけ、それぞれ、
(1)一番搾りのオリーブオイルたっぷりの地中海料理
(2)ナッツたっぷりの地中海料理
(3)低脂肪の料理
を食べ続けてもらい、メタボリックシンドロームにどのような影響があるかを調べました。
「低脂肪食」よりも「オリーブオイル」「ナッツ」たっぷり!?
その結果、この3つのグループの間で、メタボリックシンドロームになるかどうかについての差は見られませんでした。
しかし、この中で元々メタボリックシンドロームだった3000人強について調べたところ、低脂肪料理よりもオリーブオイルまたはナッツたっぷりの地中海料理を食べたグループの方が、改善した人が多く見られました(※2)。
地中海料理は、カロリー制限をせずに満足するまで食べてもメタボリックシンドロームを減らす働きがあるなんて、魅力的ですね!さらに地中海式ダイエットでは、ワインも飲んで良いなんて、とっても優雅!でも、このダイエットの一番ベースには「毎日の運動」があることを、くれぐれも忘れないで下さいね。
監修者
医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。
参考文献
※1. Martínez-González MÁ, Cohort profile: design and methods of the PREDIMED study., Int J Epidemiol.
※2. Babio N, Mediterranean diets and metabolic syndrome status in the PREDIMED randomized trial., CMAJ.