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歯を失う原因第1位!実は怖い歯周病を知る
気がつかないうちに歯茎を蝕み、やがては顎の骨を溶かしてしまう怖い病気「歯周病」。
現在、日本人が歯を失う原因の第1位で、成人の約8割がかかっていると言われている国民病です。一生自分の歯で美味しい食事を食べるために、今回は歯周病の基礎知識をお伝えします!
お話いただいたのは、「日本橋あみ歯科」院長の堀江幹子先生です。
堀江幹子(ほりえ・みきこ)先生
日本橋あみ歯科院長
鶴見大学卒業後、同大学歯学部科にて勤務。その後都内歯科医院にて勤務後2014年4月に日本橋あみ歯科を開業し、現在に至る。歯科の雰囲気が苦手な患者もリラックスして治療を受けられると評判。特に予防歯科に力を入れている。
【そもそも歯周病とはどんな病気?基本を学ぶ】
歯周病は歯茎や歯を支える骨の病気
虫歯は歯の病気。歯周病は歯の周りの病気です。つまり、歯を支えている歯茎や歯茎の中にある骨(歯槽骨)の病気になります。虫歯とは違ってほとんど痛みがなく、気がつかない間に進行してしまうのが怖いところです。
歯のケアを怠って、歯と歯肉の間の溝(歯周ポケット)に細菌がたまると、歯肉の炎症が起きて、歯茎が腫れたり、歯槽骨が破壊されて、最悪の場合は歯が抜け落ちてしまうこともあります。
歯周病はあらゆる年代で増加していますが、際立って増えているのが高齢者。口の中のケアが十分にできていないことが原因と考えられています。
歯周病の原因はプラーク
歯周病の最大の原因は、プラーク(歯垢)と言う歯にくっつくネバネバした付着物。プラークは歯のケアが不十分な場合や、糖分を摂取しすぎた時に増えていきます。粘着性が強いので、うがいをした程度では落ちません。
プラーク1mgの中には10億個の細菌が住みついていて、これらの細菌が様々な毒素を出すことにより、歯肉に炎症が起こります。
プラークを取り除かないままにしておくと、雪だるまのようにどんどん膨れ上がっていき、「歯石」と言われる石化した物質に変化し、歯の表面に強固に付着します。 歯石は、ブラッシングだけでは取り除くことができません。この歯石の中や周りに更に細菌が入り込み、歯周病を進行させる毒素を出し続けるのです。
歯周病はどのように進行する?
歯周病は歯肉炎と歯周炎の二つに分けられ、歯肉炎から歯周炎へと進行していきます。歯周炎は初期、中等度、重度に分けられています。
歯周病は全身の病気とも関係が深い
歯周病は口の中の病気であるだけでなく、全身にも影響を及ぼすことがわかってきています。
歯周病がある程度進行すると、歯周病菌が作る毒素が口の中の毛細血管から体内に侵入し、全身の臓器に運ばれてしまいます。それにより、種々の疾患を引き起こすおそれがあるのです。
動脈硬化・心筋梗塞・肺炎
歯周病菌の刺激によって、脳や心臓の血管が動脈硬化になりやすくなります。そのため、脳卒中や心筋梗塞などを招く危険性が高まります。また歯周病菌は誤嚥性肺炎の原因になることもあります。
糖尿病の悪化、肥満
歯周病によって生じる炎症物質はインスリンの働きを阻害して血糖値を高くしてしまうため、糖尿病をさらに悪化すると言われています。また、炎症物質は脂肪をためこみやすい体内環境にするため、肥満にもなりやすいとされています。
早産・低体重児
妊娠している女性が歯周病にかかると、羊水の中に菌が入り込むことがあるため、早産や低体重児出産に影響すると考えられています。
歯周病は人から人へ感染する
歯周病菌は、空気感染はしませんが人から人へうつります。親御さんからお子さんへの食べ物の口移しや、歯ブラシの共有などで、虫歯や歯周病に感染する危険性が高くなります。絶対にやめましょう。また、大人同士であってもキスなどの行為でうつるケースもあります。
今すぐやってみよう!歯周病セルフチェック
歯周病は痛みなどの強烈な症状がありません。知らないうちに病気が進行していて、歯科に受診した時にはかなり症状が進んでいたり、すでに手遅れになっているケースも少なくありません。
しかし、よく注意して観察してみると気がつけるポイントがいくつかあります。下記の表をみてください。
一つでも当てはまるものがある場合は歯周病の可能性が考えられます。歯周病は初期であれば比較的短期間で改善することができます。ぜひ、早めに歯科を受診することをお勧めします。
日頃のセルフケアで歯周病対策をしよう
歯周病は虫歯よりも意識されることが少ないですが、糖尿病の悪化や心疾患にもつながる恐れがある怖い病気です。ぜひセルフケアで対策をとっておきたいものです。
著者
森下千佳(もりした・ちか)
プロフィール:お茶の水女子大学理学部卒。2000年に東海テレビ放送に入社し、主に報道記者として事件、事故を取材制作。女性ならではの目線で取材先の言葉や見過ごされがちな出来事を引き出す事を得意とする。2009年に家族の転勤で、ニューヨークに渡り4年間移住。当時日本ではなかなか手に入らなかったオーガニックのベビー商品、コスメなどを日本に届けるベンチャー起業を立ち上げに関わる。2013年帰国し翌年に女児を出産。2016年より子宮頸がん検診の啓発活動と健康教育を手掛ける一般社団法人の理事を務める。2019年よりフリーのエディターとして、主に女性と子供の健康、子育てに関する取材、発信している。
記事提供元
MYCODEの運営会社・株式会社DeNAライフサイエンスのグループ会社であるDeSCヘルスケア株式会社が提供する、ヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」掲載記事より「歯を失う原因第1位!実は怖い歯周病を知る【歯周病・前編】」を一部改編。
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